徳之島地区消防組合 水難救助の4人に感謝状

水難救助で感謝状を受けた中学生の里山さんら4人(前列)と関係者=22日、天城町

中学生ら機転の行動
チームワークが尊い命救う

 【徳之島】徳之島地区消防組合(管理者・森田弘光天城町長)は22日、天城町平土野港岸壁で磯釣り中に誤って海中に転落した男性Aさん(70)の人命救助に貢献した天城中学校2年生の里山聡汰(そうた)さん(14)=同町平土野=ら4人に感謝状を贈ってたたえた。

 水難救助感謝状の贈呈式は天城町役場であった。対象者となったのは▽天城中の里山さんのほか、▽会社員柚木現吾さん(54)=徳之島町亀津▽自営業川上光男さん(58)=天城町天城▽農業岩木勝志さん(42)=同町兼久=の4人。

 同消防組合によると、水難事故は今月3日午前11時半ごろ平土野港岸壁で起きた。自らも釣行していた里山さんの隣で釣っていたAさん(徳之島町)が突然、岸壁上の車止めブロックに足を引っかけて転倒して海中に転落。里山さんは機転を利かせて釣り具の「タモ」網を差し伸べるとともに、ロープで結んだクーラーボックスを浮き輪代わりに投入してつかまらせたまま救急隊を待った。

 近くにいた柚木さんは1人で活動していた隊員の救助活動を補助。さらに同港の近くで作業中だった川上さんと岩木さんは「ユニック車(クレーン付きトラック)で港に」との急を聞いて駆けつけ、隊員が救助活動中にユニックを伸ばして引き揚げた。

 病院に収容された男性は低体温症気味で発熱していたため、経過観察で入院して5日に退院。大きなけがはなかったという。

 天城町役場であった感謝状の贈呈式で、消防組合管理者の森田町長は、中学生の里山さんが6月の職場体験で同消防組合天城分遣所に学んだことにもふれ、「機敏で的確な行動が尊い命を救った。いろんなことに気を配り、これからも勉強にスポーツにがんばって欲しい。4人のチームワークが尊い命を救った」。杉順二消防長も「的確な判断、勇気ある行動は町民の皆さんの模範に」とたたえ感謝した。

 里山さんは「朝9時ごろから釣りをしていると、(隣の男性が)突然落ちてしまい一瞬えっー?とびっくり。職場体験で水難事故が起きた際の行動、気持ちの強さも大事とか教えてもらっていたので、『がんばってください』と声をかけ続けた」。感謝状を手に「良い事をしたとの実感がわいてきた。将来の夢は航空自衛官・パイロットです」とにっこり。