徳之島町山、陸自ヘリ殉職碑

陸自ヘリ殉職者慰霊碑の清掃作業に汗を流した後、慰霊式で4隊員の冥福を祈った参加者たち=21日、徳之島町山

「風化させまい…」
JCら関係者 清掃作業と慰霊式

 【徳之島】奄美大島青年会議所(JC、前平聖理事理事長)主催の自衛隊殉職者慰霊碑清掃・慰霊式が21日、陸上自衛隊第1混成団第101飛行隊員4人の慰霊碑がある徳之島町山集落であった。JC会員や自衛隊OBら隊友会、同家族会、高校生、住民有志など約40人が参加。慰霊碑周辺の除草作業などに汗を流し、崇高な任務に殉職した4隊員に感謝と慰霊の祈りを捧げた。

 同事故は2007年3月30日夜に発生。県の災害派遣(急患空輸)要請を受けて沖縄県那覇市から陸自の大型輸送ヘリが飛来。濃霧による視界不良のため徳之島町陸上競技場から徳之島空港(天城町)に進路を変更後、天城岳連山の東側の山頂付近に墜落。慰霊碑は、徳之島町亀津出身の機長(当時54)ら殉職した4隊員のために山公民館沿いに建てられている。

 同JCの清掃活動は「事故を重く受け止めて風化させず、島民の命を守ってくださる方々に感謝を」との念を込めて08年から開始。一時中断後昨年3年ぶりに復活。例年は墜落現場山頂の慰霊碑周辺も清掃しているが、登山口のある林道が土砂崩れで通行止めのため中止。そのため公民館横の慰霊碑と併せ、小笠原諸島の海底火山噴火で山海岸にも漂着している軽石の除去作業にも協力した。

 次ぐ慰霊式で前平理事長は「痛ましいこの事故を思い出すとき、尊敬と感謝の気持ちがわきます。魂は使命を果たし、島に尽くし、地域の守り神になった」と慰霊のことば。自衛隊鹿児島地方協力本部徳之島駐在員事務所の松山勝良所長(1等陸佐)が気象状況など当時を振り返った。

 同JCとくのしま委員会(實吉教麿委員長)は、隊員たちの尊い犠牲を風化させず継続していく意思を示した。