徳之島地区 土砂流出パト・検討会

土砂流出防止の法面保護〝カバープランツ〟にキク類の植栽事例も=天城町浅間

問題事例の視察・指導も必要

  【徳之島】徳之島地域土砂流出防止対策連絡協議会(会長・赤﨑久一県大島支庁徳之島事務所長)の2021年度合同パトロールと検討会が26日、天城町内でにあった。耕作地の表土流出や法面(のりめん)保護対策など優良事例の4カ所を視察。検討会では、無対策の悪い事例の視察・指導の必要性も上がった。

 県や3町当局、建設業協会、JA、漁協など関係者約20人が参加。耕作地の表土流出防止や法面保護、景観アップも兼ねたキク類など草花、クロトンやソテツなど観葉植物、果樹(在来種桃)などが植栽された同町浅間、当部両地区の優良事例を視察。同町役場に戻って室内検討会を開いた。

 赤﨑会長は検討会で「世界自然遺産登録も決定。島の自然を守るため、これまで以上に赤土等の流出防止対策に努めなければならない。協議会の啓発活動や各種対策の強化で一定の成果は上がっていると思うが、依然として赤土流出実態も見られる」として一層の連携取り組みを要請。

 意見交換の冒頭、協議会事務局(県徳之島事務所総務課)側は合同パトロールや耕作者の優良取り組み事例などの各町広報を通じた啓発強化も要請。出席者たちからは、耕作中のトラクターなどで畑の畦畔(けいはん)を削ってしまい土砂が流れている現状の指摘とともに、「今後は個人耕作での悪い事例も視察して指導する必要もある」の提言も。

 一方では「(耕作者)本人も手の施しようがなく悩んでいるケースもある」と示唆。流末に敷くことで土砂流出防止効果のあるハカマ(製糖工場排出のサトウキビ葉がら)ロールやブロックの「耕作者補助対策が必要」との意見もあった。

 ほか、作業後のトラクターやハーベスターなど農機類移動時の道路の泥汚染防止の指導強化。また、海岸に漂着している厄介者の「軽石を赤土流出防止対策に活用できないかも考えるべき」との提案もあった。