二之湯防災担当相が軽石被害視察

説明を聞きながら、被害のあった漁港を確認する二之湯大臣(右から4人目、奄美市笠利町宇宿漁港=27日午前8時半ごろ)

 

塩田知事、5市町村長との面談では、各所からの要望書も出された

 

支援・対応強調「住民の不安取り除きたい」
知事ら面談、要望書提出 住民と意見交換も
奄美大島・加計呂麻

 

 小笠原諸島の海底火山噴火で発生したとみられる軽石が奄美群島各地に漂着している問題で、二之湯智防災担当相は27日、奄美大島に来島し、軽石が漂着した港や海岸などを視察し状況を確認した。同行した塩田康一知事や奄美大島5市町村長とも面談し、地元住民らと意見を交換。二之湯大臣は「視察で被害の大きさを実感した。今回の補正予算にも軽石対策は盛り込まれており、活用しながら住民の苦しみ不安を取り除いていきたい」と、今後の支援・対応を強調した。

 二之湯大臣はこの日、空路で奄美入り。奄美市笠利町の宇宿漁港を皮切りに、被害の大きかった瀬戸内町加計呂麻島のスリ浜海岸などの現場を視察。加計呂麻展示・体験交流館では地元住民から被害の様子や要望を聞き、奄美市役所では知事や首長らとの意見交換に臨んだ。

 宇宿漁港では、県大島支庁の黒川陽一建設部長から説明を受けながら、これまでの経緯、現在の状況を確認。撤去作業への課題や出漁に二の足を踏む漁師らの懸念なども伝えられた。

 奄美市役所の面談では、九州地方知事会から支援措置を求める11項目の緊急提言が提出。奄美群島市町村長会、奄美群島市町村議会議長会の連名では、財政支援などを要請する要望書も提出された。

 塩田知事は面談の冒頭、軽石対策の予算確保に感謝。「観光需要も回復させようという中で、軽石の問題は海岸の景観に大きな影響がある。協力願いたい」と訴えた。

 視察終了後、二之湯大臣は報道陣の取材に「収束して来たとはいえ、漁師や観光事業者、定期船運航などへの不安はまだまだ払拭できていない。ボランティア(頼み)の除去作業も大きな課題だ」と強調。「天候次第ではまだ漂着の可能性もある。各省庁などと連絡しながら対応したい」と話した。