徳之島高野球部 鹿実を「招待試合」

連日、接戦交流した徳之島高―鹿児島実業高の「招待試合」(第2試合目)=28日、天城町総合運動公園


友情も温め合った徳之島高、鹿実ナインと両保護者ら関係者

海を越えて熱戦交流
保護者交え友情育む

 【徳之島】県内高校野球の強豪鹿児島実業高校野球部(宮下正一監督、駒壽太陽主将)と徳之島高校野球部(吉田公一監督、幸田大和主将)の「招待試合」が27、28日の両日、天城町総合運動公園野球場であった。鹿実ナインは離島勢の移動のハンディも逆体験、徳高ナインは秘めた底力を地元で披露。熱戦を通じ友情も育み合った。

 練習試合の機会が少ない中で、県本土の強豪との練習機会を地元でと徳之島高野球部保護者会(東田進也会長)が主催。吉田監督(47)長男・塁さん=亀津中出身=が鹿実ナイン(1年生、内野手)という縁も。同部選手など23人に保護者ら応援団17人も同行した。

 27日の初戦は徳高が序盤2―0でリードしたが、鹿実は四回に本塁打を含む打棒を爆発させて一挙5点を奪い逆転、2―6で鹿実が勝利。28日の第2試合も互角の攻防の末、徳高は一、三塁の好機に適時打を繰り出せないなど0―2で惜敗した。

 徳高野球部保護者会の東田会長(45)は「鹿実さんが来島しての練習試合は初と思う。(強豪相手に)逆転はされたが予想以上に頑張ってくれた。貴重な経験・交流を通じ、島の高校生たちも練習という同じ時間を共有して頑張り、『島にいてもできる』と示してくれた。今後も心を強く持って欲しい」。

 徳高の吉田監督も「野球に対する熱い思い、離島の子どもたちの気持ちも分かってもらいたい。ここ最近1点差で負け続けて県大会で浮上できないもどかしさがあった。鹿実との試合でもやっぱり力の差はないと感じ、自信につながったと思う。島の皆さんの前でゲームできたことにも価値がある」。

 同校の幸田主将(2年)も「鹿児島のチームとなかなか練習試合ができない中で、県内トップレベルと練習試合ができた。自分たち離島勢の足りないところも分かった。1点の重みを大事に〝島から甲子園〟を達成したい」。

 鹿実の宮下監督(49)は「船に揺られての長旅を経て鴨池で試合をする(離島勢の)ハンディも良い体験に。シーズンオフで互いに実戦感覚がない状態で、打線をもう少し活発にする必要があった。徳高は非常に良い左腕投手が二枚(前倫太郎、豊島凌英両投手)いる」。あいさつでは「来年夏は徳之島と鹿実で決勝戦を戦えるように頑張ろう」とも呼び掛けた。

 28日午後は3町のスポーツ少年団を対象にした野球教室でも交流した。