12月定例県議会は29日開会、会期は12月20日までの22日間。2021年度一般会計補正予算(34億4千万円追加、総額9200億1800万円)や条例改正など議案15件と専決処分2件を上程。塩田康一知事の提案理由説明では、新型コロナウイルス感染症対策として「第6波」に備えて、総合的な保健・医療提供体制の整備について定めた「保健・医療提供体制確保計画」を新たに策定することが報告された。
策定する計画を踏まえ、必要な病床および宿泊療養施設のさらなる確保に取り組むとともに、全庁的な支援体制を含む保健所体制の強化、入所調整や搬送業務の外部委託などによる業務の円滑化、やむを得ず自宅待機者が発生した場合における健康観察等の体制構築のほか、離島における宿泊療養施設や島外への搬送手段の確保など進める。ワクチン接種で3回目については「引き続き市町村と連携しながら、2回目接種完了から概ね8カ月経過した方に対する追加接種の12月開始に向けて、準備を進めていく」と述べた。
奄美に関しては、群島内に大量に漂着している軽石問題について言及。関係省庁訪問、内閣府防災担当相が視察した際に、「軽石の回収等に活用できる国庫補助事業や災害復旧事業の採択および予算の確保、事業活動に支障をきたしている漁業や観光事業に対す支援」などの要望を行ったと報告。世界自然遺産については、今後とも国、沖縄県、地元市町村などと連携を図りながら、「自然と共生する環境文化が息づく奄美の世界自然遺産としての価値の維持、自然環境の保全と利用の両立などをより一層推進していく」と述べた。
自衛隊による離島からの急患搬送は、今年8月末に、防衛省から海上自衛隊第22航空隊鹿屋航空分遣隊の救難ヘリについて、22年度中にすべての機体を除籍の上、同分遣隊を22年度末までに廃止し、これまで同機が対応してきた離島からの急患搬送は、全自衛隊が共同して、引き続き適切に対応する方針が示された。塩田知事は「県民の生命に関わる重要な問題であることから、今月16日に防衛省を訪問し、防衛大臣に対し、今後も離島からの急患搬送体制が維持されるよう強く要請を行った」と説明。引き続き、具体的・実効性のある搬送体制が構築されるよう、防衛省など関係機関と協議を行っていくとした。
上程された補正予算には、新型コロナ感染症対策などに要する経費や飲食店等における割引クーポンの発行、イベントの開催助成による県民の消費意欲の喚起等に要する経費などを計上している。
2日に代表質問、6~9日まで一般質問がある。