マニフェスト大賞「優秀成果賞」の受賞を喜ぶ朝山市長ら
奄美市の朝山毅市長は29日、地方自治体や市民団体などの取り組みを表彰する日本最大規模の政策コンテスト「第16回マニフェスト大賞」(実行委員会、早稲田大マニフェスト研究所など主催)で、同市の「デジタル活用で特別定額給付金を最短4日で給付」の取り組みが、優秀成果賞を受賞したことを報告した。朝山市長は「他自治体に先んじて、デジタルを活用した取り組みを推進し、市民サービスの向上につなげたことが評価された。今後も、より一層、デジタル化による市民生活の向上に努めたい」と、受賞を喜んだ。
今回は、過去最多だった昨年に次ぐ2730件の応募が全国の自治体や市民団体などからあり、元三重県知事の北川正恭早稲田大名誉教授らが審査。成果賞を含む7分野で各5件の計35件が優秀賞に選ばれた。
同市では、新型コロナウイルス関連の経済対策として実施された国民1人一律10万円を給付する「特別定額給付金」の支給業務に、AI(人工知能)技術による光学文字認識機能(OCR)や入力作業などをパソコン上のロボットが自動的に行うRPAを導入、約2カ月かかると見込んでいた給付作業の迅速化に取り組み、申請から最短で4日間、平均で6日間以内の給付を実現。業務開始から3週間で86%の給付率を達成した。
審査員からは「デジタル化によって、職員は、『ひと』でなくては実行し得ない業務に集中でき、小規模な自治体のモデルケースとして、全国に広げることを期待したい」などと、高く評価された。
同市では、今年度から新たにデジタル戦略課を設置するなど、デジタルを活用した市民生活の向上に取り組んでいる。定額給付金の支給業務のほか、新型コロナワクチンの接種予約業務やプレミアム商品券「ほーらしゃ券」の申請などにも、AI―OCRやRPAなどの技術を導入、業務の効率化を図っている。
同課の押川裕也課長は「定額給付金の支給業務では、単純作業をRPAで行ったことで、職員が申請のない世帯を訪問、相談を受けるなど、きめ細かな対応につながり、結果的に、99・7%の支給率を達成することができた。今回の受賞を励みに、行政サービスの向上と職員の働き方改革の推進につなげていきたい」と話した。