環境副大臣が奄美大島視察

朝仁海岸で除去作業中の困り事などを聴き取る務台環境副大臣(中央、30日午後2時16分ごろ)

「不足は補い全面的支援」
奄美市長と会談

 務台俊介環境副大臣は30日、小笠原諸島の海底火山噴火で発生したとみられる軽石が大量に漂着している奄美大島を訪れ、海岸などを視察した。朝山毅奄美市長や次期市長の安田壮平氏とも会談した務台副大臣は、「環境省は『海ごみ補助金』として過去最大の49億円を補正予算で計上した。足りない分は補い、対応に困らないよう全面的にバックアップしていく」と述べ、財政支援など国による対応を約束した。

 務台副大臣はこの日、空路で奄美大島入り。奄美市笠利町の土盛海岸、同市名瀬の朝仁海岸で現場を視察後、奄美市役所を訪れた。

 朝仁海岸では10月18日の初漂着以降、約20㌧に及ぶ軽石をボランティアらで除去してきた。務台副大臣は、市職員の報告を受けながら、除去中の作業員には「どういった作業が大変か」と尋ねて回るなど、状況の確認・把握に努めた。

 奄美市役所の面談では、朝山市長、安田氏らが同席し支援を要請。朝山市長は「人力だけでは撤去に時間がかかる。軽石は水深5㍍あたりまで浮遊してとどまるなど影響も大きい」と話し、対応への協力を求めた。

 務台副大臣は面談後「海岸ごとに状況は異なる上、分別も大変そうで(人海戦術の除去には)まだまだ人手は足りていない。環境教育として修学旅行生を取り込んで手伝ってもらうなど、新しいアイデアも必要だ」と強調。「奄美は世界自然遺産にも登録された。景観にも留意が必要で、市長と協力しながら一日も早く元に戻していきたい」と話した。

 1日は、鹿児島県庁で塩田康一知事と面会。引き続き軽石被害の対応について意見を交換する予定となっている。