宇検村やけうちっ子環境学習

平城さんの説明に耳を傾けながら観察する参加者たち

湯湾岳付近の動植物観察
豊かな自然を感じ、理解

 2021年度宇検村「やけうちっ子環境学習 世界自然遺産博士講座」の第6回「奄美の身近な草花・樹木と希少な草花・樹木~湯湾岳自然観察会~」が27日、湯湾岳付近であった。講師は奄美博物館学芸員の平城達哉さんと奄美マングースバスターズの山室一樹さん。幼児、小中学生、保護者ら約30人が参加し、宇検村の豊かな自然を感じ、理解を深めた。

 同講座は子どもも大人も一緒に環境について学び、考え、行動し、表現、発信していくことが目的。来年2月19日までに計9回の講座開催を計画している。

 はじめに、希少種を捕食するマングースとノネコ(野生化したネコ)の捕獲用わなについて山室さんから説明があった。その後、2グループに分かれて湯湾岳付近を散策しながら観察を行った。

 平城さんは、▽島では主に3種類のドングリがあり、そのうちアマミアラカシの実はルリカケスが大好物▽アサギマダラはチョウとしては珍しく渡りをし、1000㌔以上渡る個体もある▽奄美大島には島とは思えない森の広さがある。展望台は森を幅広く見られるよい場所―などを説明。メジロ、シジュウカラ、ヤマガラなどの鳥の声を聴きながら、ツワブキ、ハシカンボク、オオタニワタリ、サキシマフヨウ、リュウキュウハナイカダ、フジノカンアオイなどの植物を、解説とともに観察した。また、アマミイシカワガエルのオタマジャクシや、シリケンイモリの子どもも見られた。散策ルートには多くのアサギマダラが飛び交い、参加者は熱心に写真に収めていた。

 参加者からは「歩いているだけでたくさんの植物を見られてよかった」「初めて名前がわかったものもあって勉強になった」「初めて展望台に上ってこんなに奄美の森は広くて美しいのだと感じた」などの感想が。参加していた上米良心菜さん(阿室小2年)は、「知らなかった生きものや植物を知ることができてよかった。アサギマダラをいっぱい見られ、すごくきれいだった」と笑顔で話した。