宇検村田検集落で行われた「ふるさと探検隊」のワークショップ
住民らが主体的に地域の課題や将来像などを考える「ふるさと探検隊」が3日夜、宇検村田検集落であった。同集落防災会館で開いた第2回ワークショップには、住民や行政関係者ら約25人が参加、同集落の課題解決や改善策などについて意見交換した。同集落では今後、県や村などと協力し、地域の未来像などをまとめた「夢マップ」を作成、地域の課題可決や改善に役立てていくことにしている。
ふるさと探検隊は、県の「中山間ふるさと、水と土保全対策事業」の一環で、「良好な農村環境の保全及び地域活動の活性化を図る」ことなどを目的に、県などの主導で1994年から県内各地で開催。今年度実施している県内5カ所を含め、111カ所で行われている。奄美地区では同集落と奄美市住用町・神屋地区の2カ所でマップ作りが進められている。
同集落では10月に1回目が開催され、住民らが集落内を2コースに分けて、歩きながら道路や施設の整備状況などを点検、結果をもとに改善が必要な場所などを記した点検マップを作成した。
今回は、点検時に指摘のあった場所について、課題解決に必要な改善策などについて話し合い、地域資源の評価や課題を整理し、解決に向けた改善策を検討したり、保全活動などについて意見交換。住民でできることや行政に支援を要請すること、すぐにできるものや将来的な整備を検討していくものなどに分けながら、集落の将来像について話し合った。
集落コースでは、集落内を流れる田検川の中流にある、水力発電の発電所跡などを観光資源として活用する案や遊歩道、案内板の設置などの意見が数多く出された。同集落で生まれ育った碇元フミヨさん(73)は、「ケンムンの言い伝えなど、地域に残っている物語を生かした地域の魅力を発信できれば、多くの人に関心を持ってもらえるし、地域の子どもたちにも集落の良さを分かってもらえるのでは」などと話した。
話し合い後は、コースごとの将来像について発表があり、同集落の小田桐傑(たかし)区長(47)は、「集落の魅力などについて、住民同士で話し合う機会ができて良かった。この活動を無駄にしないためにも今後の取り組みが重要。まだ、スタートしたばかり、これから集落をよりよくするため、みんなで協力していきたい」と話した。
今回の意見交換などを基にした「夢マップ」は来年4月ごろに完成する予定。