徳之島「宝ランド祭り」

世界自然遺産登録の喜びを表現した創作ダンス「いのち未来へ」=5日、徳之島なくさみ館(伊仙町)
「世界の宝を守る島人宣言」も

「世界の宝を守る島人宣言」も
創作ダンス熱演、約1500人来場

【徳之島】住民主導の世界自然遺産登録記念イベント「宝(ほう)ランド祭り」(同実行委員会主催)が5日、観客約1500人を迎えて徳之島なくさみ館(伊仙町)であった。関係機関代表らの祝辞や専門家の講話も交え、老若男女の島民代表らが「世界の宝を守る島人(しまんちゅう)宣言」。創作ダンスや歌謡ショーで楽しませながら祝い合った。

徳之島三カ町議会議員連絡協議会やNPO法人徳之島虹の会など11団体(実行委)が主催。世界自然遺産登録を祝うとともに、多くの住民が自然に関心を持ち、自然環境の保全・保護活動に積極的に関わっていく機運の醸成などが目的。一体となって準備を進めてきた。

実行委の福留達也委員長(徳之島三カ町議会議員連絡協会長)は開会あいさつで「紆(う)余曲折を経て登録が実現。アマミノクロウサギなど生物多様性、歴史、伝統文化、先人たちから引き継いだ生き方など貴重な宝を、次世代に確実に引き継いでいこう」とアピール。

環境省自然環境局の堀上勝自然環境計画課長の祝辞や塩田康一知事の動画メッセージ、地元3町長あいさつを交え、会場一体の「万歳三唱」でも世界自然遺産登録実現の喜びをあらためて共有。

続いて屋久島環境文化財団理事長・県環境担当参与の小野寺浩氏と東京大学名誉教授・国立科学博物館顧問の林良徳氏が「底ぢから徳之島~世界自然遺産を考える」で共同講話。小さな島に凝縮された世界的に貴重な生物多様性、インパクトに富んだ雄大な自然景観、恵まれた耕地面積など同島のポテンシャルの大きさを強調して、「世界遺産や国立公園は地域づくりの手段。自然と歴史文化を柱にした個性の発揮が勝負」ともアドバイスした。

「世界の宝を守る島人宣言」には妊婦や幼児、児童生徒、高齢者代表の10人が登壇。高校生男女が「世界の宝になったことは私たち島人の大きな喜びであり誇り。この豊かな自然をもっと学び、もっと知り世界へ、未来へ伝えていくことを誓います」(要旨)など宣言文を朗読してアピール。

創作ダンス「いのち 未来へ」は、専門家の指導(ボランティア)で幼児から一般まで約60人が7月から取り組んできた。オリジナル楽曲に唄者中島清彦さんの島唄も交え、島に息づく大切な宝・森・風の匂い・雨の恵み・海の安らぎ、笑顔、今ある命の輝き―を闘牛場(土俵)の仮設ステージ狭しと表現。称賛の拍手に包まれた。

歌謡ショーでは、東まどかさんら島出身アーチストや、シンガソングライター岡本真夜さんのライブステージで楽しませた。