絵本作家のミロコマチコさんと一緒に「でっかい海をつくろう」

体育館いっぱいに描かれた鯨のキャンバス

 

手足を使って思い切り自由に描く児童たち

 

不思議な水が色水に変化。鯨にみんなでシャワー

 

 

「汚れてもいい絵描くの楽しかった」
龍郷町赤徳小児童ら

 

 龍郷町の赤徳小中学校(土岐邦寿校長)の小学生1年生から3年生の児童48人は8日、同町芦徳在住で絵本作家のミロコマチコさん(40)と一緒に「でっかい海をつくろう!」と、同小中学校の旧体育館いっぱいに用意されたケントロール紙のクジラを相手にマジックや絵の具、色が変わる不思議な水で、思い思いの絵を描く体験学習を行った。

 このワークショップは、同小で行っている読書週間に合わせての取り組みで、児童らは裸足になって、最初はマジックを手に寝転がったり、座ったり自由な格好で、魚やアンパンマン、自分の名前や好きな絵を描いた。

 続いて、絵の具の入った缶と魚模様のスポンジをもらうと、スポンジから手や足に絵の具をつけ、クジラの絵が見えなくなるほど、ケントロール紙の上を走り回ったり、絵の具の塊に足を取られたりして転び、体中に絵の具をくっつけて思い切り動き回って描いていた。

 最後にペットボトルに入ったわずかな水を振ると、それぞれのボトルの水の色が瞬時に鮮やかな色に変わり、児童らはマチコさんの号令で、絵の具で見えなくなったクジラに色水をかけた。

 参加した小学3年生の山田陽向さんは「スポンジで絵を描くのが、楽しかった」と話し、同学年の實川佑之助くんは、「マチコさんが来てくれて絵が楽しいことがわかった。汚れてもいいからといわれて絵を描くのは楽しかった」と、絵の具まみれの手足を広げて喜んで答えた。

 マチコさんは、2017年に大和村の会社の依頼で奄美に訪れた。その際アマミノクロウサギなど、貴重な動植物をイラストにして、カードや商品にパッケージされた。その後、「奄美が気に入って」芦徳集落に在住。今回のワークショップは、「久しぶりで、学校での子どもたちとの触れ合いはうれしかった。絵の具を出して画用紙内にきちっと描かないといけないだけでなく、体全体を使って絵の具のヌルヌルした感覚を知るなど、いろんな絵があるといいなと思う」と自由な絵の発想に触れた。

 作品は乾燥後、正面玄関もしくは新体育館に飾られる予定。

 メモ 「ミロコマチコ」画家・絵本作家。生き物の姿をのびやかに描き、国内外で個展を開催。絵本『オオカミがとぶひ』(イーストプレス)で第18回日本絵本賞大賞を受賞。NHKEテレの「コレナンデ商会」のアートワーク担当なども。