スカイキャンプ参加時の立山さん(左)=JAC提供
【鹿児島】奄美市出身の立山陸さん(鹿児島大工学部機械工学科4年、大島高卒)=写真=が「地域密着型パイロット人材創出プログラム」の1期生に選ばれた。憧れだったパイロットになる夢への第一歩を踏み出す立山さんは「奄美のインフラを支えるパイロットになることで、奄美に貢献したい」と張り切っていた。
プログラムは鹿大、日本エアコミューター(JAC)、日本航空(JAL)の3者が連携し、パイロットの人材育成、安定供給に取り組む。小学生の頃からパイロットになりたいという夢を持っていた立山さんは「昨年10月5日にニュースで知った翌朝一番に申し込んだ」という。
鹿大生35人の応募者の中から書類審査、身体検査などで7人を選抜。今年3月1日から約2週間、鹿児島空港近くのJAC訓練場で実施された「スカイキャンプ」に参加して、シミュレーターや実際の小型飛行機の操縦などを体験した。6月のJACによる面接などを経て、より適性が高いと判断された立山さんら2人が1期生に選ばれた。
2人は来年3月の卒業後、JACの条件付内定者、研究生として崇城大(熊本)で2年間、パイロットに必要な知識、技能、資格の取得を目指す。その間にかかる訓練費用約2千万円のうち、一部自己負担となる以外を3者で負担し合う。
JACの上村徹運航企画部長は「地域に貢献できる人材の創出という目的に合致しており、考え方もしっかりしている」と期待を寄せる。スカイキャンプ時、シミュレーターの操縦が最初うまくいかなくて「暗い気持ちになった」立山さんだが「実際に飛行機を操縦してみて、ちゃんと空に浮いて旋回できたことに感動した」と言う。パイロットとして「奄美の自然や、人の暮らし、文化を支え守っていく」ことに喜びを見出していた。