年末年始に向けて警戒

住用中生徒(奥)の三太郎太鼓による力強いエールを受け、パトカーなどがパトロールに出発した

住用中生徒らがエール
奄美・瀬戸内署が合同出発式

 犯罪や交通事故が多発する年末を前に奄美署(濵田忠広署長)と瀬戸内署(小櫻誠署長)は9日、奄美市の住用中学校グラウンドで「年末年始特別警戒」の合同出発式を行った。署員や関係団体100人以上が参加し地域の防犯や交通安全を祈願。同中生徒の三太郎太鼓による力強いエールを背に、白バイやパトカー、青パトらが出発した。

 特別警戒は鹿児島県内一斉で、10日~来月10日までの1カ月間。「年末年始マナーアップで事故防止」をスローガンに、▽早朝・夕暮れ時・夜間の交通事故防止▽シートベルト、ヘルメットなどの着用の徹底▽飲酒運転等の危険運転の防止―を重点項目に、飲酒運転撲滅などにも取り組んでいく。

 奄美署によると8日現在、管内の傷害・暴行は前年同期比2件減の23件、窃盗は同26件減の57件と減少傾向。一方の人身事故は57件で、うち重症者が9人増の21人と大きく増えている。

 濵田署長はあいさつで「県内では殺人、子どもへの声かけなど不安に感じる事案があり、両署でも死亡事故が1件増の3件と増え、大変厳しい状況といわざるを得ない」と強調。「管内も世界自然遺産登録で人流・物流の増加が懸念される。結の島としてみんなで協力して啓発に取り組もう」と呼び掛けた。

 式では住用中生徒10人による三太郎太鼓、奄美署三味線部による島のブルース、瀬戸内署員による防犯ソングで激励した。走る広報車として、「いかのおすし」などが書かれたラッピングバスもお披露目。最後は小櫻署長の「出発!」の号令で、白バイや青パトが街のパトロールへと繰り出した。

 期間中は悪質な事案への取り締まり、パトロールなどを強化していく。