沖永良部と与論の人材確保へ

人材の確保と育成における課題等を話し合った参加者ら=和泊町、大島支庁沖永良部事務所=

受入環境の整備不足が課題
地元事業者らが意見交換

 【沖永良部】2021年度沖永良部・与論地区人材確保・育成推進協議会(大島支庁主催)が8日、大島支庁沖永良部事務所会議室であった。沖永良部と与論の各事業者の代表者ら約20人(オンライン含む)が参加。人材の確保と育成に向けた各団体の取り組みや課題について意見を交わした。

 大島地域の就労環境や体制の整備促進などを目的に開催。同地区協議会は、商工会や観光協会、高校、農協、漁協など24機関で組織されている。

 会合では、参加団体に行った事前アンケートの結果を報告。人材確保や育成における課題として「居住拠点が圧倒的に不足している」(与論町)、「職員の95%以上が中途採用で、画一的な育成プログラムが適用できない」(JA知名事業本部)、「技能実習生との意思疎通に苦労している」(沖永良部花き専門農協)、「観光関連は繁忙期と閑散期の波が大きく、一度雇用を解くと、同じ人を再度雇うことが難しい」(おきのえらぶ島観光協会)、「地域における求人情報の閉鎖性が課題」(沖永良部高校)などの意見が出た。

 事例発表では、安定した雇用の確保を目的に今年4月に設立した特定地域づくり事業協同組合「えらぶ島づくり事業協同組」の金城真幸事務局長が事業内容を紹介。今年度は50人以上の面談を行い、そのうち8人を派遣職員として採用したと説明し、人材確保における課題として▽高額な引っ越し費用▽若者の単身者用住宅(家具・家電付き)の不足▽ペーパードライバーの講習支援―を挙げた。

 与論町で起業支援事業に取り組む「まなび島」の田畑香織塾長は「若者の人口は増えないので、島にいる全ての年代の生産性を上げる働き方を考えないといけない」と述べた。

 このほか、名瀬公共職業安定所から最近の雇用情勢について説明もあった。