「令和の西郷どん」立憲民主・太衆院議員(知名町出身)

奄美への思いなどを語る、太栄志衆院議員(議員会館で)

「外交に本格的に取り組む」
沖永良部島「日本のモデルになっていい所」

【東京】6日に召集された臨時国会が開催されるなか、太栄志(ふとりひでし)衆院議員(立憲民主党=神奈川13区)が議員会館で奄美新聞の取材に応じた。太議員は、「外交に本格的に取り組む」などの政策と故郷への熱い思いも語った。

「多くの後援会の方、また、地元にいる出身者らに支えられて、何とか2回目で勝ち抜けられました」

与党の重鎮を撃破しての初当選。「令和の西郷どん」が誕生した激戦を振り返った。毎月のタウンミーティングは実に86回にも。

「必ず勝てる、いや勝たなければと前回の落選から積み重ねてきましたね。徹底的な『ドブ板活動』で市民の声に耳を傾けました。夏頃から手応えはありましたが、共産党候補が降り、公示前には敵失にも恵まれました。選挙戦に突入して反応がさらに良くなった。一気に流れを感じ、負けない、いけるぞと好感触になっていったのです」

11月の臨時国会で初登院、6日からの臨時国会に臨んでいる。

「ようやくスタートラインに立てました。これまで研究員としてシミュレーションしてきた外交、国防の問題に具体的取り組める。ワクワクしていますが、今は、医療のことも含め、コロナの第6波に備えることが優先です。そのうえで、厳しい状況にある女性の仕事や子どもの問題などに当たりたい」との政治姿勢を示した。

一方で「野党共闘はあるべき」の考えだ。「自公に対抗するためにも野党はしっかりと力を合わせていくことが必要。共産党との共闘ばかり言っていないで、場合によっては公明党と協力するなど、もっとしたたかに取り組まないと、相手にはなりません。一方で、立憲民主党も魅力的な政党になる努力をしていかなければいけない。せっかく『泉体制』となったわけですから」

きっぱりと「令和の西郷どん」は、口元を引き締める。

「愛称は自ら名乗らせていただきました。沖永良部島にいた小さい頃から、意識していた偉人であり政治家です。改めて今の時代にこそ、世のため人のために西郷さんのようでなければ、いけない。そう確信します。私は進学のため島を離れ、やがて政治家を目指すことになりましたが、振り返ると、西郷さんが背中を押してくれたのかなと思いますね」と目尻を緩め、続けて語った。

「近所との付き合いも含めて、自然を大事にしながら子どもを地域で育てるという良さは、都会にとって学ぶべきこと。日本のモデルになっていい所です。歴史をきちっと引き継ぎながら、未来へ伝えていく。そんな故郷の素晴らしさを政治家としても、日本中に発信していきたいですね」

「令和の西郷どん」は、故郷と地元神奈川県央地域の人たちの声を一身に、政界での闘いに名乗りを上げた。

 メモ 

 太栄志(ふとり・ひでし)1977年4月27日、知名町出身。中央大学大学院修了。米ハーバード大学国際問題研究所研究員などを務める。2017年の初挑戦は実らなかったが、10月31日の衆院選挙で初当選する。