知名町の3小学校が合同学習

屋子母海岸で回収した漂着ごみを確かめる児童ら=知名町住吉小学校=

海の自然を守ろう
島の環境と生物学ぶ

【沖永良部】「沖永良部の環境と生物について学ぼう」をテーマにした合同学習が8日、知名町立住吉小学校であった。住吉小と田皆小、上城小の3校の3、4生38人が参加。地域の課題である漂着ごみの現状を知り、海の自然を守る方法を考えた。

環境保全に関する提案やアドバイスを行う日本エヌ・ユー・エス(株)による環境教育の一環。同社の野上大介さんと、沖縄県で自然ガイドをしている鹿谷麻夕さんの2人が講師を務めた。環境省の海洋漂着物等地域対策推進事業を活用した。

同町屋子母海岸で回収した漂着ごみを児童らに見せた野上さんは、穴があいたペットボトルを手にして「魚がえさと間違えてかじった跡だ」と説明。同じ海岸で拾ったウミガメの骨を紹介した鹿谷さんは「この骨を砂浜で拾えるのは、近くの海にたくさんのウミガメが泳いでいる証拠」と話した。

また、ごみで埋もれた沖縄県多良間島の海岸や東京の荒川に浮かぶ大量のごみの写真などを見せ、海洋漂着物が世界の問題であることやその発生に人の生活が関わっていることを伝えた。

最後に、海の自然を守る方法を考えた児童らは「泳ぎながらごみを拾う」「ごみになる物を使わない」などと答えた。

住吉小4年の中野零王さん(9)は「ごみを捨てたらいけないと分かった。見つけたら拾うようにする」と話した。

講師を務めた鹿谷さんは「流れてくるごみはほんの一部。もっと多くのごみが海中に沈んでいる可能性がある。ごみを出しているのは人間なので、私たちが責任を持って何が出来るかを考えなくてはいけない」と語った。