冬夜を照らす祈りの灯

記念撮影を楽しむ通行人たち

 

寒い夜にも関わらず親子連れの見物者も多く見られた

約3万5000球のイルミネーション
名瀬佐大熊町の臨港道路沿い

世界自然遺産登録を祝うとともに、新型コロナ感染症の終息を願って―そんな思いが込められた約3万5000球のイルミネーションが11日、奄美市名瀬佐大熊町の臨港道路沿いにある(株)奄美リサイクル(荒川直文代表取締役)のフェンス壁面で点灯した。奄美の冬夜を照らす光彩を前に、多くの人が足を止めた。

イルミネーションは同社フェンスを利用した設置のほか、道路を挟んだ側道奥にも雪だるまを模した電飾などが飾られている。普段は外灯、行き交う自動車のヘッドライト、テールランプだけが照らされる臨港道路だが、この夜は眩い無数の光に包まれた。

奄美リサイクルの山田真理さんによると、この企画は荒川社長が「新型コロナウイルス感染拡大防止で旅行や外出がままならない奄美の人たちに、何か喜んでもらえることはないか」と検討していたところ、11月に社内で同企画が持ち上がり進められたという。賛同する機関、団体も自然と集まり、奄美市も後援する設置委員会が設けられた。しかし、実際にイルミネーションの設置作業が始まったのは点灯開始当日の朝。急ピッチで関係者によって夕方の点灯に向け作業が進められた。

山田さんは「設置は大変だったが皆さんの協力があってこの日を無事迎えられた。今回初めてとなる試みだが、来年も電球数を増やすなどして奄美の一大イベントになれば」と話した。

イルミネーションの点灯は来年1月末までを予定している。点灯時間は午後5時半~10時まで。