コロナ禍・奄美のために出来ること=25=

昨年夏に発表された、2年ぶりのニューシングル「拳」と、角川博さんとの共演した模様(円内)

奄美の豊かな大自然と島の人たちの心の広さに感激
世界自然遺産登録は素晴らしいこと半面、いろいろな影響を心配

 奄美への思いと、登場人物のプロフィルに迫りながらバトンをつないでいく「奄美のためにできること。新型コロナウイルスと私は闘う!」の第25回。広島出身の歌手・角川博さんからの紹介で、歌手の山川豊さんが登場する前編をおくる。(東京支局・高田賢一)

 先輩歌手・角川さんとは家族ぐるみ。奄美は、豊かな自然と牛が多いイメージ。

 「角川さんは、とても理解ある先輩です。
家族ぐるみのお付き合いをさせていただいておりますよ。尊敬も含め、角川さんのユーモアや優しさにとても救われています。今年の4月にはデビュー45周年の角川さんと40周年の山川が、初のジョイントコンサートを開催しました。感染対策をしっかりと徹底させたうえでファンの皆様と楽しく過ごせました。感動的だったなぁ。ぜひ、今度は奄美の方でも一緒にコンサートをしてみたいですね。その奄美は牛が多いイメージがあります(笑)。それと豊かな山、川、あれ?山川豊?(笑)がある誰もが一度は訪れたい場所ですね。また、文化や伝統を今でもしっかり守り続けていること。食に関しても、僕は海の近くで生きてきた人間なので、とても共通するところがある。新鮮な刺身など最高ですよね」

 奄美の人たちに、もてなしの心を実感。台風の通り道としても共感。

 「奄美の存在をいつ知ったのかは、正直覚えていません。ですが、私の実家、三重県にかけて台風の通り道であり、テレビのニュースで見たことで、頭の隅に記憶されていたと思いますね。初めて奄美に行ったのも、確かな日にちまでは出てこないのですが、兄の鳥羽一郎と一緒に、コンサートで訪れたのがきっかけです。大自然には圧倒されましたし、とても居心地が良かった。その時感じたことは、奄美の人たちは、心が広く、おもてなしの心がとてもあるということです。感激的でしたね。新鮮な魚介はもちろん、肉やバナナやパイナップルなどのフルーツも最高にお気に入りでした」

 三重にもある世界遺産・熊野古道。奄美の世界遺産登録をどう感じているのか。

 「世界にその自然の価値が認められたわけですから、世界自然遺産に登録されたことは本当に素晴らしいことだと思います。だからこそ、たくさんの人に足を運んでいただきたい。半面、あんまり観光客が押し寄せると環境など色々な問題も出てくるので、何とも言えない心境であり、ちょっと複雑ですね。まずは、現地の人たちの声を大切に聞くということでしょうか」

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 山川豊(やまかわ・ゆたか)1958(昭和33)年10月15日生まれ、三重県出身。81年「函館本線」でデビュー、各新人賞に。86年「ときめきワルツ」でNHK紅白歌合戦に初出場。98年「アメリカ橋」が大ヒット。その後の「ニューヨーク物語」「霧雨のシアトル」でアメリカ3部作と呼ばれる。古賀政男記念音楽大賞、日本作詞大賞など数多くの音楽賞に輝く。12月19日に「40周年ふるさとディナーショー」を鳥羽グランドホテルで開催する。