「教育民泊」学ぶ

龍郷町役場で開かれた「修学旅行の受け入れ家庭募集に関する説明会(教育民泊)」。町民12人が聴講

修学旅行の受入家庭募集説明会
龍郷町

 龍郷町教育民泊実行委員会準備会(役場企画観光課内)主催の「修学旅行の受け入れ家庭募集に関する説明会(教育民泊)」=第2回=が11日、役場2階会議室で開かれ、町民12人が聴講した。伊原和彦氏(54)=教育旅行コンサルタント=が「教育民泊が求められる背景と受け入れについて」をテーマに講演した。①教育民泊の必要性②「民泊」がもたらす効果③「民泊」受け入れの心構え―などについて学んだ。

 龍郷町は、修学旅行生を受け入れる「教育民泊」の導入を目指している。

 事務局によると、伊原氏は、大手旅行会社に勤務し、約20年間にわたり教育旅行を担当。独立後は「ETC教育旅行コンサルタント」を設立し、教育旅行や着地型観光誘致アドバイザーとして全国各地で講演、セミナーを開催。2013年に内閣官房「地域活性化伝道師」に任命された。

 講演で伊原氏は、教育民泊の九州、鹿児島県内での取り組み紹介などを交えながら「パソコンやスマホの機能向上、普及によって観光を取り巻く状況が大きく変わり、発地型観光から着地型観光に変化した。今は『地域の方が観光客を呼び込む』時代だ」「教育旅行分野は、従来の観光型→体験学習→体験交流型に変わり、数年前から『教育民泊』ブームになっている」と指摘した。

 「教育民泊」がもたらす効果は①地域交流(地域外からの観光客流入が期待できる)②地産地消(地元の農産物や食べ方などを発信し、消費へつなげる)③第1次産業を理解(民泊体験を通して若者に発信、農林水産業への理解などに効果)④学校以外の学習(学校側にとっては、生徒への総合学習や生涯学習の機会になる)⑤経済効果(民泊による地域への直接収入がある)⑥受け入れ農家は生徒たちと交流する機会を得る―と述べた。

 受け入れの心構えは①ありのままを見せることが大切。民泊は「宿泊」ではなく、体験である。料理を一緒に作る体験もいいのではないか②子どもたちを特別扱いしない③安全面に配慮を(けが、病気、アレルギー、食中毒など)。全体的な安全対策や緊急対応は、受け入れ事務局と学校の役割だ―などと指摘した。