避難所運営、女性の目線で

「女性の視点で考える防災」をテーマに講演する国崎さん

災害へ備え、国崎さんが講演 奄美市

 大規模災害などへ備え、女性視点で防災を学ぶ「講演会」が18日、奄美市名瀬の奄美市役所会議室であった。自治体の危機管理アドバイザーや防災のアドバイスに取り組む危機管理教育研究所代表の国崎信江さんを講師に招き、自主防災組織や消防団関係者ら約50人が女性目線での避難所運営に理解を深めた。

 奄美市が主催。内閣府の防災スペシャリスト要請企画検討委員などを務める国崎さんが「女性の視点で考える防災~災害対応力・地域強化に向けて~」と題して講演した。

 国崎さんは2016年の熊本地震など、自身が携わった避難所の事例を挙げ、避難所運営に女性が主体的に関わる必要性に言及。被災地では女性への性犯罪が多く、炊き出しは女性などといった固定観念も根強く残っており「割り当てができておらず、避難所を出ていく要因にもなっている」と訴えた。

 特に女性の場合は更衣室やトイレ、洗濯物を干す場所の確保へは配慮した対策が必要で、「女性同士でしかできない話もあり、専用の相談窓口を設けたり、物資の配布には女性職員が担当すべき」と主張。快適な避難所運営に向けては、「住民による自炊推進」などのアイデアも示しつつ、「円滑な運営には男性と女性のリーダを置くべき。男女互いの気づきを引き出し合いながら、快適に暮らせる避難所を作ってほしい」とアドバイスした。

 この他、女性や高齢者でもできる救助スキルなどを紹介。高齢者や障がい者、子どもや外国人などの支援に向けた対応方法もレクチャーした。