「生物宝庫の島々」企画展始まる

オープニングセレモニーでのテープカット

 

剥製標本の展示品の説明を受ける来館者

 

 

奄美の自然を再認識
奄美博物館、剥製標本、写真は398点展示

 

 

 世界自然遺産登録を記念した企画展「生物宝庫の島々」が19日、奄美市名瀬長浜町の奄美博物館で始まった。一般公開前のオープニングセレモニーには、招待された奄美こども環境調査隊のメンバー家族や市関係者など約30人が参加。来賓の安田壮平市長、泉和子市文化財保護審議会長、村田紺碧さん(こども調査隊)など6人によるテープカットの後、参加者らは展示物を見学、世界遺産としての奄美の自然を再認識した。

 今年7月、世界でも希少な固有種の生息と生物多様性が評価され、「奄美大島・徳之島・沖縄島北部および西表島」が日本で5番目の世界自然遺産に登録。世界から認められた各島の特徴や保護の取り組み・課題などを、多くの人に知ってもらうことが目的。

 安田市長は、「先行登録された4地域を含め、日本列島に広がる自然環境を奄美から見直す絶好の機会。企画展を通して新たな発見や、奄美が世界に誇る自然を保護する機運の高まりに期待する」とあいさつ。候補地決定から18年を経て登録された念願の世界自然遺産。関係者や市民に感謝の意を述べた

 3階企画展示室には、未公開分を含めた剥製標本53点・植物標本14点・写真398点を展示。同博物館学芸員の平城達哉さんの説明に、来館者は耳を傾けた。

 また多くの人が足を止めたのが「奄美の野鳥」コーナー。日本の1%に満たない島に、国内で記録されている633種類中、約半数の311種類が確認されるという。固有種のオオトラツグミやオーストンオオアカゲラの固有種も多く生息。その生態や標本に見入った。

 芦花部中1年の稲田直生くんは家族5人で来館。母の希望さん(41)は「長男が奄美こども環境調査隊なので見にきた。たくさんの貴重な剥製標本など、これからじっくり見ていきたい」。弟の智生くん(朝日小1年)は「アカショウビンは学校で、ハブは捕獲されたのを見たことがある」と話した。

 展示は3部構成、①「奄美大島・徳之島・沖縄島北部および西表島」②4島の自然を徹底比較③日本の世界自然遺産。来年1月30日まで開催している。