リュウキュウアユ数値検討会で報告

リュウキュウアユの秋季個体数の推移

個体数が回復傾向

奄美大島だけに生息する絶滅危惧種のリュウキュウアユの数値検討会がこのほど、奄美市住用総合支所で開かれた。「奄美リュウキュウアユ保全研究会」は、今年の個体数調査結果を報告。2万6528匹のリュウキュウアユの生息が確認され、回復傾向にあるとした。

調査は毎年春、秋の2回実施。今年春季は新型コロナウイルス感染防止のため中止、秋季のみの実施(11月13・14・21日)。島内15河川を調査した。

主要4河川の個体確認数は、▽役勝川2万2057匹(前年比1万6557匹増)▽河内川2330匹(同1530匹増)▽川内川901匹(同1799匹減)▽住用川893匹(同1207匹減)。

個体数の推移は、2015年の8万1527匹をピークに、17年は4430匹まで減少。その後1万1000匹~2万匹内で増減。2万5000匹を超えるのは15年以来6年ぶりになる。

同研究会の米沢俊彦さんによると、19年の暖冬の影響で海水温が上昇、20年の個体数が1万1100匹まで下降。今年の増加は気温の低下によるものとし、海水温がリュウキュウアユの生息に与える影響の大きさを示した。

川内川や住用川の個体数減少の要因として、内海の環境変化により産卵にあつまる親アユが少なくなったことなどを挙げた。

また、今年度の同研究会の活動として、役勝川での観察会(住用小学校)・河内川での観察会(宇検村)などを報告した。