塩田知事(中央)を表敬訪問した世界自然遺産推進共同体のメンバーら
【鹿児島】世界自然遺産推進共同体のメンバーが22日、県庁の塩田康一知事を表敬訪問し、これまでの活動実績や今後の活動予定などについて報告した。
共同体は、奄美群島などの世界自然遺産登録を民間の立場から推進していくことを目的に19年8月に発足。日本航空(JAL)鹿児島支店長の久見木大介支社長を代表に、日本エアコミューター(JAC)、NTTドコモなど県内外の64社で構成し、希少種や自然環境の保護、自然遺産の普及啓発活動などに取り組んでいる。
「まずは島の宝に関心を持つ、知ってもらう」活動からスタートしたと久見木代表。JALグループでは「世界の宝を守ろう!」と特別塗装した飛行機を就航させたり、ホームページで自然利用のルールを紹介している。NTTドコモは空港、港、観光スポット、ホテルなどでWi―Fiを利用する際には、野生動物の事故防止を啓発するメッセージを表示している。地域の自然を守るタオルをJACの機内や奄美、徳之島の共同体メンバー企業などで販売し、1枚当たり100円を自然保護団体に寄付している。久見木代表は「個々で活動するよりも、共同体として活動した方が、インパクトがあって継続につながる」と話した。塩田知事は「島の宝を今後も守りながら有効活用していくためにも、引き続き皆さんの協力をお願いしたい」と述べた。
来年以降は国、県、市町村で構成される世界自然遺産地域連絡会議の奄美大島、徳之島の地域部会のメンバーとして共同体も参画し、より連携を深めていく。久見木代表は「世界遺産登録はゴールではなくスタート。今後も官民一体となって、民間としてできることを続けていきたい」と話していた。