狂言師・河田全休さん喜界島公演

独特の言い回しやコミカルなやりとりで観客を魅了した狂言師の河田さん(右)ら

伝統芸能の奥深さ堪能
島にゆかりの演目や語りも

喜界町の子どもたちへの狂言指導でもお馴染み・給湯流狂言師の河田全休さんによる「ふるさと狂言ツアー2021・喜界島公演」が19日、喜界町休養村管理センターであった。喜界島にゆかりの狂言2題のほか、俊寛僧都の語りなども披露。指導を通じて知り合った子どもや保護者ら約100人が観劇し、至芸の舞台を通じて日本の伝統芸能の奥深さを堪能した。

ツアーは文化庁が助成する「創作狂言でつなぐ日本の地域文化活性化事業」の一環。河田さんが代表を務める「オフィスKAJA」が主催し、全国12カ所を巡回している。

河田さんは、喜界島言語文化保存会(生島常範代表)と協働して、2016年から島口を使った狂言「附子=ぶす=」で子どもたちを指導。その縁もあって公演は実現した。

会場は新型コロナウイルス感染防止の観点から入場人数を制限し実施した。同島の民話「ひなた山」を題材にした創作狂言では、独特の言い回しやコミカルなやりとりに観客らは大笑い。ワークショップでは、狂言の「笑い方」のエクササイズも楽しく行われた。

観劇した生島代表は「プロは発声や身のこなし、立ち振る舞いが優雅で力強い」と感激した様子。「今後も子どもたちとの島唄狂言を通じて、河田さんとの縁を深めていきたい」と話した。