徳之島地域「赤土新ばれいしょ『春一番』」連絡協

堅調相場の維持に期待し、「出発式」日程などを決めた徳之島地域赤土新ばれいしょ「春一番」連絡協総会=23日、JAあまみ徳之島事業本部

「堅調相場」維持に期待
品質管理・共販率向上へ

 【徳之島】「かごしまブランド」認定団体などで構成する「徳之島地域赤土新ばれいしょ『春一番』」連絡協議会(満宏樹会長)の第7回総会が23日、JAあまみ徳之島事業本部(徳之島町)であった。他産地の大幅減産・品不足を背景に2021年度産は高価格取り引きを予想。主要消費地への3町長らトップセールスを復活、3町合同「出発式」は1月29日に計画。生産性向上と品質管理、課題のJA共販推進も確認した。

 JAあまみ徳之島地区野菜部会や各町園芸振興会、ばれいしょ部会、同JA徳之島・天城両事業本部、3町長ら農政、県当局など代表の役員ら約30人が出席。全議案を承認した。

 20年度(20年9月1日~21年8月31日)活動実績報告によると、連携した合同出発式や合同「目揃え会」は実施したが、新型コロナの影響で販売促進活動やイベントは中止。相場に恵まれた半面、日照不足や小玉傾向の単収減もありJA共販率は計画の50%台(4257㌧)と課題を残した。

 21年度活動の基本方針では「共販対策と品質向上に向けたばれいしょ農家の意識啓発と病害対策推進に重点的に取り組む」、「新選果場の整備および『奄美統一ブランド』の確立には関係各所と連携、早期実現に取り組む」と強調。途絶えていた中京、京浜地区での「トップセールス」は1月20、21日に計画。3町持ち回り開催している「春一番出発式」は同29日午後、伊仙町総合体育館で行う。

 共販計画は徳之島事業本部(徳之島・伊仙両町内)が約5058㌧、天城同約3500㌧の計約8558㌧台を予想(集計中)。出発式には「出荷量1万㌧、販売額20億円突破。ブランド産地の誇りを持ち、消費者に信頼されるばれいしょ産地の確立」などを掲げる。

 ちなみに、2年連続の高価格予想の背景には、①北海道産の年明け出荷計画量が平年より大幅に少ない2万6700㌧に②長崎県産の減収予想③流通量が少なく年内から堅調な相場が継続。本県産は、商系(JA系統外)を含め種子不足により流通量が平年比減の見通し④コロナ禍で業務筋の動きは鈍いが、流通量が少ない(品不足)うえ〝巣ごもり需要〟により、本県産への引き合いは強まり、今後も安定した相場展開が予想される―などと分析している。

 役員改選で、新会長には重原成一朗・伊仙町園芸振興会会長が就任した。