3回目ワクチンファイザー製配分を

印南支庁長(右)に要望書を提出する安田市長と竹田町長

奄美大島5市町村、県に要望
モデルナの安全性示す取り組みも

奄美大島5市町村で構成する「奄美大島新型コロナウイルス感染症対策本部」(会長=安田壮平奄美市長)は24日、新型コロナワクチン追加接種に関する要望書を県に提出した。島内で1、2回目の接種を終えたほとんどの人がファイザー社製を接種していることから、3回目となる追加接種についても同社ワクチンの配分を求めるとともに、モデルナ社製を追加接種した場合の安全性および有用性の提示を求めている。同日、安田市長と竹田泰典龍郷町長が、県大島支庁を訪れ、印南百合子支庁長に手渡した。

3回目のワクチン接種について、政府はファイザー、モデルナ両社のワクチンを使う方針を示しており、県を通じて自治体などに配分することにしている。奄美市などによると、これまでに各自治体の接種予定人数などに合わせた3月分までの配分計画案が示されており、今後、随時供給が行われる予定になっているという。

要望書は、今後供給されるワクチンについて、島民の多くがファイザー社ワクチンの2回接種を終えた状況で、3回目にモデルナ社ワクチンを使用する交互接種に「多くの住民が不安を持っている」などと指摘している。

また、モデルナ社ワクチンが、1バイアル(瓶)で約10回~15回分と、ファイザー社ワクチン(1バイアルで6回分)に比べ、回数が多いことから、ワクチンの廃棄をなくすためには、1回の予約で10人以上の接種者確保が求められることになるため、大島郡医師会から「小規模な医療機関中心の奄美大島では、モデルナ社ワクチンを使用した個別接種は困難」といった声も寄せられているという。

奄美市では現在、医療従事者らの優先接種を医療機関で行っており、来年2月中旬以降に2回接種を終えた65歳以上の高齢者の追加接種を開始する予定。

安田市長は「離島の医療環境などを考慮し、追加接種を迅速に進めるため、できればファイザー社ワクチンが接種できるよう配慮いただきたい。また、モデルナ社ワクチンによる交互接種の安全性を島民にしっかり説明できるだけの情報を、しっかり示してもらいたい」などと要請。印南支庁長は「奄美大島5市町村の要望は、しっかり担当部署に引き継ぎ、追加接種のための準備を進めたい」と述べた。