空き家活用へヒント探る

空き家の有効な利活用へ向けヒントを探った根瀬部町内会の講演会

NPO理事長・佐藤さんが講演会
根瀬部町内会 数年後には40件にも

奄美市名瀬の根瀬部町内会(大海昌平区長、80世帯)は26日、空き家の利活用に向けた「講演会」を同公民館で開いた。奄美群島で移住支援などに取り組むNPO法人「あまみ空き家ラボ」の理事長・佐藤理江さんが講師。参加者らは、修繕や手入れといった手間暇をかけずに空き家を貸し出す方法など、空き家の有効な利活用へヒントを探った。

奄美市地域の「元気」「魅力」づくり応援事業を活用。町内に空き家を所有する住民など約30人が耳を傾けた。

佐藤さんは都心の移住希望者から寄せられる相談の多くが、「島らしい田舎」を希望していると紹介。荷物が置いたままの家、風呂のない家など、修繕や手入れが必要な空き家でも「意外と借り手はある」と解説した。

佐藤さんは、家主からアパートをまるごと借り上げて、互いにリスクを承知した上で貸し出す仕組み“サブリース”を提案し、「大家の負担は限りなくゼロにできる」と説明。「借り手には日曜大工をやりたい、思い通りに改装したいという人もおり、そういった家を探す人も多い。学校の入学・卒業時期は狙い目。あきらめずに考えてみてほしい」などと呼び掛けた。

同会によると町内には現在、16軒(危険家屋3軒、別荘3軒含む)の空き家があり、数年後には40件程度に広がると見込んでいる。今回の講演を踏まえた上で、住民には空き家に関するアンケートを行う方針。大海区長は「このままでは集落が立ち行かなくなる。根瀬部の数年後をみんなと一緒に考え、備えていきたい」と話した。

なおこの日は、青年団や婦人会、子ども会が共催し、歌謡ショーや餅つき、イス作りなども開催。2年ぶりの住民交流も楽しんだ。