21年大島紬生産反数

減産止まらず3290反 紬協組まとめ
4年連続の3千反台

本場奄美大島紬協同組合(牧雅彦理事長)は28日、2021年製品検査業務を終了し、生産実績をまとめた。今年の生産反数は、前年比98反(2・8%)減の3290反だった。業界関係者によると、21年は、2年連続で新型コロナウイルス感染症の影響で大きな販売催事等が開催中止となり、販売に大きな影響を受けた。1972(昭和47)年に戦後最多の29万7628反を記録して以降、年々減産傾向が続き、2010年に1万反を割り込んで8919反となり、18年からは4年連続で3千反台となった。コロナ禍、織工の高齢化問題などを抱え、牧理事長は「3千反だけは切らない、維持していこうと業界全体で頑張ってきた。コロナ禍の厳しい状況が続く中、減少幅は、前年比縮小しており、頑張った数字と言えるのではないか」と指摘した。

紬協組によると、21年生産反数の月別内訳をみると、6月349反が最多で、8月224反が最少。

ここ数年の減少幅をみると、4千反を割り込んだ18年生産反数3862反(前年比540反減)、19年3671反(191反減)、20年3385反(286反減)、21年3290反(95反減)となっている。

生産反数は、72年をピークに減産傾向が続き、84年(26万2460反)に一度だけ前年を上回っている。しかし、85年から再び減産となり、87年に20万反割れ、92年に10万反割れ、2010年に1万反割れ、16年(4732反)に5千反割れ、17年4402反と推移してきた。

新型コロナウイルス感染症によって大島紬関連の催事も大きな影響を受けた。今年1、3月に東京と京都で予定していた大型催事が中止となり、厳しい状況が続いてきた。

そのような中、着物専門店「きものやまと」が、5月28~30日に埼玉県さいたま市で企画開催した「琉球色遊び」に、本場奄美大島紬協同組合の組合員数社が出展した。

また、大島紬のオンライン選品会を開く新たな動きが出てきた。牧理事長は「コロナ禍、選んだ方策だった。良かったのではないか」と話した。

今後の大島紬を取り巻く状況について牧理事長は「コロナの第6波が見え隠れしている状況であり、どうなるか予測がつかない」などと述べた。

本場奄美大島紬協同組合(組合員83人)は今年、創立120周年の記念すべき年を迎え、10月25日に奄美市名瀬で「創立120周年記念式典」を行った。

 ◇

鹿児島県本場大島紬協同組合連合会(本場奄美大島紬協同組合、本場大島紬織物協議会、藤絹商工協同組合)は、来年1月20~22日の3日間、「紬コレクションin京都」を京都経済センター(京都産業会館ホール)で開催計画している。