世界自然遺産となった奄美を象徴する国の特別天然記念物「アマミノクロウサギ」(奄美市住用町の山中で)
奄美の多様な生態系を象徴する金作原原生林のヒカゲヘゴ
白砂の海岸を黒く覆った漂着軽石(奄美市名瀬小浜町の砂浜)
(すべて西康範さん撮影)
7月26日「世界自然遺産の日」に 登録決定、喜びに沸く
今年も新型コロナウイルスが全国的に感染拡大、大きな社会問題となった。奄美でも多くの感染者が確認された。国内では落ち着きを見せているものの、世界的な感染拡大は続いており、収束の目途は立っていない。
早期の収束を願うのが、海底火山の噴火による軽石の漂着だろう。次々と海岸に押し寄せる軽石は、人の想像を超えた気象や自然現象の脅威を改めて感じる出来事となった。
何かと暗いニュースが多かった一年だったが、そんな中で奄美の「希望の光」となったのはやはり、7月26日の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録決定だ。2003年に候補地に選ばれてから18年、登録延期の勧告を受けるなど、険しい道のりを経た登録決定に多くの群島民が喜び、沸いた。
奄美大島の5市町村は同日を「奄美・沖縄世界自然遺産の日」に制定、普及啓発や自然保護活動を推進する。今後、新型コロナ収束後を見据えた取り組みが求められる。
来年は「寅年」。さらに詳しくみると「壬寅(みずのえとら)」となり、「新しく立ち上がること」や「生まれたものが成長すること」といった縁起のよさを表しているという。まさに新たに誕生した世界自然遺産である奄美の成長を予感させる。
来年は大島高校野球部のセンバツ出場にも期待が寄せられている。奄美の新たな歴史を紡ぐ始まりの年となることを願い、目標に向かい「トライ」する人々を応援したい。