名瀬漁協・名瀬中央青果で初セリ

新鮮な魚介類が並んだ名瀬漁協の初セリ

新鮮な地場産野菜が並んだ名瀬中央青果の初セリ

威勢いい掛け声響く
水揚げ量例年並み、果実は高値取引

奄美市の名瀬漁業協同組合(満林春男組合長)と名瀬中央青果(株)(森山直樹社長)で5日朝、初セリが行われた。両市場の開始式には同市の安田壮平市長も出席、「農林水産物輸送コスト支援事業などを実施し、行政として各種政策を通して生産者を支えていきたい」などとあいさつ。鐘の音とともにセリが始まると、荷さばき所には威勢のいい掛け声が響き、新年最初の取引が開始された。

同市名瀬港町の名瀬漁協では、午前6時半から開始式が行われ、乾杯で今年一年の豊漁と操業中の無事故を祈願した。満林組合長に代わって泊延行筆頭理事が「新型コロナ感染拡大による魚価低迷と昨年10月以降の漂着軽石問題など、生産者の皆さん大変な思いをしている。今年は、世界自然遺産登録を受け今後の観光客増加が見込まれるなど明るい兆しも見えており、漁協としても魚価の安定、向上に努めたい」などとあいさつ。

荷さばき所にはイセエビやタコ、チビキ(ハマダイ)、夜光貝、キハダマグロ(シビ)、エラブチ(ブダイ)など奄美近海産の魚介類が並び、仲買人は目当ての水産物を次々とセリ落としていった。

この日の水揚げ量は約1トンと昨年(805キロ)の水揚げを上回り、例年並みだった。泊理事は「1、2日の天候が悪く、水揚げが少なくなるのではと心配したが、予想以上の水揚げがありホッとした。漁に出た組合員に感謝したい」と話した。

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名瀬中央青果(株)は同市名瀬長浜町の市場で午前8時半からセリはじめ式を行った。名瀬青果食品協同組合の里島光一郎理事長は「今年はコロナに負けないよう皆さんで協力して頑張っていきたい。生産者にはいいものを作ってもらい、新鮮な品物を食卓に届けられるようにしたい」と抱負を語った。

三本締めで今年一年の豊作と食の安心安全などを祈願。安田市長が鐘を鳴らしたのを合図に初セリが始まった。市場には地元農家が出荷したキャベツやダイコン、ニンニク葉、ブロッコリー、シイタケ、キュウリ、パパイアなどのほか、ポンカンや津之輝(つのかがやき)などが並び、威勢のいい掛け声とともに次々とセリ落とされた。

この日の入荷量は野菜3511キロ(うち地場産は1996キロ)、果実2083キロ(同1083キロ)、花き1635キロ(同89キロ)。野菜は、天候不良などにより昨年末の入荷が少なかった一方、果実は津之輝が入荷したことで前年より多く、単価も高値で取引された。花きは昨年より入荷が少なかったため、高値がついた。全体的に入荷が少なかったことから、単価は高値傾向となった。