牛の放牧地に飛来して優雅に翼を休めていた「クロヅル」=6日午後2時ごろ、伊仙町犬田布
伊仙町犬田布 約17年ぶりか
【徳之島】特別天然記念物の「クロヅル」1羽が6日午後、伊仙町犬田布岬近くの生産牛放牧地に飛来し、優雅に翼を休めている姿が目撃された。渡りの途中の迷鳥とみられ、「見たことない大きな鳥が」と南国の目撃者たちを驚かせている。
クロヅル(黒鶴、ツル目ツル科)は全長110~125㌢。ヨーロッパ北部からシベリア東南部にかけたユーラシア大陸の北部で繁殖し、北アフリカやインド北部、中国などで越冬。日本一のツル飛来地・本県出水地方でも少数派。徳之島では2004年11月に伊仙町目手久の農地で「ナベヅル」との〝つがい状態〟で飛来確認されて以来約17年ぶり。
「見たことない大きな鳥」を車窓から目撃し、仰天したのは同町小島の無職富リツ子さん(85)。運転していた息子の観察とネット検索で「クロヅルらしい」と判断。「新年早々、こんな南の島で珍しいツルにお目にかかれるとはビックリ。素晴らしい年になりそうだ」と親子でニッコリ。
クロヅルは、南国の暖かい日差しを浴びながら悠然と草をはむ放牧牛たちをまったく気にする様子もなく、牧草地で優雅に餌を探し続けていた。