【鹿児島】鹿児島県は8日、県庁で新型コロナウイルス感染症対策本部会議(本部長=塩田康一知事=写真=)を開き、感染拡大が進む奄美市、龍郷町、瀬戸内町、大和村、宇検村の奄美大島5市町村に県独自の緊急事態宣言の発令を決めた。
今月に入って7日までの県内の新規感染者201人のうち、約8割の158人が奄美大島で確認された。病床使用率は約4割となっており、「警戒基準のレベル3に相当し、このままの状況が続けば医療のひっ迫が強く懸念される」(塩田知事)ことから、5市町村への緊急事態宣言の発令を決めた。
「食事における感染が6割近く占め、飲食を伴う場面での感染リスクが高まっている」(塩田知事)ため5市町村の飲食店には午前5時から午後8時までの営業時間短縮と酒類提供不可を要請。第三者認証店も同様の扱いとなる。期間は11日から24日までで、要請に応じた事業者には協力金が支払われる。
軽症、無症状で入院、宿泊施設への入所ができない人に対しては、保健所体制の強化を図る。パルスオキシメーターを配布して健康観察を行い、希望者へは生活支援物資も配布する。医療供給体制のひっ迫に備え、医療従事者の派遣も検討されている。
県民に対しては奄美大島への不要不急の往来自粛を呼びかけた。やむを得ない往来の際は空港での無料PCR検査の実施などの健康管理の徹底を強調していた。
人流抑制のため奄美パークと奄美図書館、奄美少年自然の家の県有施設は当面休館。旅行割引「今こそ鹿児島の旅第2弾」で奄美大島への旅行商品の新規販売を停止した。
塩田知事は「これまでにないスピードで拡大が進んでおり危機感を持っている。今後の感染拡大を食い止めるよう地元市町村と連携して取り組んでいきたい」と話した。