ケナガネズミ死骸発見

深山トンネル入口で見つかったケナガネズミの死骸(原口洋市さん撮影)

 

 

ロードキル可能性「希少種保護、大きな課題」

 

 瀬戸内町の深山トンネル(住用方面側)入り口付近で10日、国の天然記念物ケナガネズミ1匹の死骸が見つかった。環境省(奄美群島国立公園管理事務所奄美野生保護センター)は、解剖などによる死因調査を急いでいる。

 ケナガネズミは、奄美大島・徳之島・沖縄島北部にしか生息せず、国の天然記念物に指定されている。頭胴長約25㌢、尾長約30㌢で日本最大のネズミ。全身が褐色、背中には7㌢ほどの長い毛と、尾の半分が白いのが特徴。

 10日午前11時ごろ同トンネル入り口付近で、道路(県道)に横たわっているケナガネズミを原口洋市さん(58)が発見。同町役場に報告した。原口さんは、「外傷の血はまだ乾いてなく、体の温もりもまだ残っていた。交通事故の可能性があり、死後間もないのではないか」と話した。

 環境省(同)によると、13日に同役場からケナガネズミの死骸を回収、今後解剖などによる死因特定や現場状況の確認などを行うとした。奄美大島でのケナガネズミのロードキルは、昨年8月29日に1件の事例がある。またノネコの捕食と見られる事例が2月13日に1件確認されている。

 島豚飼育もしている発見者の原口さんは、「希少種のケナガネズミや島豚の保護は、奄美の文化を守る上で重要。アマミノクロウサギの交通事故も増えつつある。希少種保護は大きな課題」と指摘した。