無料PCR検査キットを受け取る市民ら(奄美市名瀬のシダマ薬局、14日午後1時ごろ)
県の無料PCR検査キット配布事業で奄美市に提供された検査キット1200セットが14日、市内の薬局など12か所で配布された。各薬局には配布開始前から市民らが列をつくり、準備した検査キットはあっという間にすべてなくなった。同市は15、16日に同市名瀬の奄美文化センターで無料のPCR検査を行うほか、18日からは民間事業者による無料検査も同センターで行われることになっており、市健康増進課は「今後もPCR検査は継続して実施する計画なので、感染が不安な人は心配せず、次の検査機会を利用してほしい」としている。
奄美市名瀬幸町のシダマ薬局前には、午後1時の配布開始前から約40人が列をつくり、約30分で用意した100セットすべての配布を終了した。
市内の医療機関に勤務する看護師の女性(51)は「これだけ感染者が増えてくると、自分でも気づかないうちに感染していないか心配。他人にうつす可能性もあるので検査しようと思った」と話した。また、市内の税理士事務所に勤務する男性(60)は、「来週から群島内の出張があり、その前に陰性を確認したかった。無料の検査キットはとても助かる」と話していた。
同薬局の師玉信一郎薬剤師(64)は「多くの市民が不安を抱えているようで、反響の大きさに驚いている。検査キットを無駄にしないためにも、手に入った人は、使い方などをしっかりと確認して使ってほしい」と話した。
検査キットは㈱木下グループが県に1万個を寄贈したもので、うち、奄美群島の離島には奄美市2000個のほか、11町村に各400個が配布された。同市では先に届いた800個を医療、介護、福祉施設や学校などに優先配布、今回残りの1200個について、感染していないか不安を抱える一般市民に配布した。