大和村で3回目ワクチン接種

65歳以上の高齢者や医療従事者への3回目のワクチン接種が行われた同村体育館

高齢者、医療従事者など対象
305人終了、16日は215人予定

 県独自の「緊急事態宣言」が出されている奄美大島で先行してワクチン接種が進む大和村は15日、65歳以上の高齢者と医療従事者、介護・福祉施設等従事者へ3回目の新型コロナウイルスのワクチン集団接種を同村体育館で行った。2回目接種から概ね8カ月以上経過している対象者475人に接種券を送付。同村保健福祉課によると、医療従事者を含めた対象者520人中305人が3回目接種を終えた。

 16日は大金久、大棚、戸円の3集落215人が3回目の接種を受ける予定。特別養護老人ホーム「大和の園」に入所している42人は今月中に同園で接種予定。また、12歳以上64歳未満の3回目のワクチン接種は2月中旬頃を見込んでいる。ワクチンはこれまでと同様にファイザー社製を使用する。

 集団接種は1、2回目同様、医師、看護師、村役場職員31人を担当別に配置。午前は国直、大和浜など4集落、午後は今里、名音集落などの村民が接種に訪れた。体育館は入口で検温、消毒液を設置。密を避けるため一定の間隔を空けて椅子を並べ、高齢者は座ったまま問診、診察、接種を受けた。接種後は経過観察のため約20分待機した。

 村内の65歳以上の高齢者は640人。1、2回目の集団接種で対象者の約8割に当たる475人が接種を受け、個別接種を含める584人が2回目の接種を終えている(接種率91%)。

 3回目の接種を終えた大和浜集落在住の南郷和代さん(71)は「元々、心臓に持病を抱えている。県外への往来や介護など人と接することも多い。感染者も増え安心・安全のためには大事なこと」。介護職に携わる大棚集落在住の武下正行さん(60)は「1、2回目の接種同様、大きな副反応もない。仕事柄、人と接する機会も多いので接種は少しでも早い方がいい」とそれぞれ話した。

 村保健福祉課の早川理恵課長は「重症化の予防や安心・安全につながれば」と述べた。

 厚生労働省が原則8カ月としてきた2回目との接種期間を3月以降、一般の高齢者、医療従事者は6カ月に、一般の人は7カ月に短縮するよう自治体に通知した。また、接種体制などに余力がある自治体に対しては、さらに前倒しして接種を進めることも要請した。