大島地区消防組合21年管内119番通報概況

119番通報を受ける大島地区消防組合本部の通信指令センター(資料写真)

救急、203件増 高齢化、観光客の増が理由か

 119番の1月19日に合わせて大島消防組合消防本部はこのほど、2021年に管内で発生した火災、救急、救助などの「119番通報概況」を発表した。通報総件数は前年比で358件増の5797件。中でも「救急」の通報が前年比203件増の3639件となっており、同部は「奄美全体の高齢化及び観光客増加に伴い要請が増えたことが要因ではないか」と分析している。

 通報の主な種別として「火災」が前年比6件増の57件、「救急」
が前年比203件増の3639件、「救助」は同7件減の47件。救急の増加については他に、急病による要請そのものが増えたことを理由に挙げている。

 この他の通報種別を多い順で見ると、「間違い(誤報)」の346件、「通報訓練」が338件、「119試験」が300件。増加数順で見ても「間違い(誤報)」が120件増、「通報訓練」が63件増となっており、「通報訓練」は、事業所の避難訓練の実施の増加を一因と見ている。

 通報手段別では、「携帯電話」が2713件(前年比203件増)、「一般電話」1997件(前年比206件増)、「IP電話」758件(同88件増)などで、「携帯電話」による通報件数が顕著となった。月別では12月が613件と最も多く、4月の425件が最も少なかった。

 一方、同部が独自に推進する外国人向けの18言語対応の「3者同時通訳119番通報」、聴覚・言語機能障がい者に対応した「Net119緊急通報システム」の21年の通報はなかった。同部は引き続きこれらの利用推進を図るとともに「救急車のサイレン吹鳴による運行」「災害の問い合わせ災害ダイヤル0997―57―3111、0997―57―3112」の啓発、周知に取り組むとしている。

 同部は、改めて119番通報する時の注意点として、①市町村名から場所を伝える②目印など複数把握③救急車の必要な人のそばにいる人が通報することで、状態の把握がしやすく早期搬送につながる―と呼び掛けている。