22年成人式大島紬着用率

大島紬の着用率が最も高かった奄美市笠利地区の成人式

 

 

 

 

笠利地区、最高の88・6%
前々年比5.5ポイント減の19・0% コロナ禍響く

 

 本場奄美大島紬協同組合(牧雅彦理事長)は20日、奄美群島12市町村・14地区の2022年成人式出席者の大島紬着用率をまとめた。全体の着用率は、成人式が行われた前々年(20年)を5・5ポイント下回る19・0%。地区別では奄美市笠利地区が88・6%と最も高く、唯一8割を超えた。

 今月2~4日に奄美群島内で行われた14地区成人式の新成人を対象に調査。着用者のほか、大島紬を活用した羽織りやジャケットなども、カウントに含めた。

 集計によると、奄美群島全体の式典出席者は、男500人、女422人の計922人。うち着用者数は、男97人、女78人の計175人だった。

 地区別の着用率では、奄美市笠利地区が7・8ポイント増の88・6%と最多で、前々年トップだった龍郷町が10・9ポイント減の70・6%。奄美市住用地区が22・3ポイント増の55・6%、奄美市名瀬地区が4・5ポイント減の31・2%、宇検村が11・2ポイント増の30・0%と続いた。

 前々年から増加したのは、奄美市笠利地区、同住用地区、宇検村の3地区。奄美大島5市町村(7地区)を除く4島7町では、喜界町の2・7%が最も高かった。

 着用者数では、奄美市名瀬地区が88人と最多で、同笠利地区39人、龍郷町24人と続いた。奄美市名瀬、笠利、住用の3地区合計は132人で、全体の75・4%を占めた。

 21年は新型コロナウイルスの影響で奄美群島内すべての成人式が中止。今年も二転三転、感染者数が増減を繰り返すなど不透明な中での開催となった。

 牧理事長は、着用率が前々年を下回ったことについて「5ポイント減だが何とか踏みとどまったという思い。開催が見通せない中で、紬を作ろうという人のキャンセルも相次いだ。(開催の)判断がもう少し早ければ結果も変わったのではないか」と分析。「今後ももっと若者に着用してもらえるよう、行政と連携しながらPRや広報を検討していきたい」と話した。