命の尊さを学ぶ希少種飼育

新たにリュウキュウアユを飼育することになった児童たち(宇検村小学校)

ヤジ分会、リュウキュウアユ提供
宇検村阿室小中 学校児童生徒が餌やり

 宇検村の阿室小中学校(中村正治校長、児童生徒20人)は18日、希少種のリュウキュウアユ14匹を搬入、飼育を始めた。メダカをはじめイモリ、アマミサソリモドキ、クワガタなどを飼い、学校敷地内に水田を設け農作業を学ぶなど、自然を通した教育に率先して取り組んでいる同校に、新たな生き物が加わった。

 奄美大島自然保護協議会ヤジ分会(山下克蔵会長)が、リュウキュウアユの種の保全、普及啓発活動の一環として今回提供を実施。同校が同村の企画観光課を通し、17日に受け入れを希望したところ、翌日18日の搬入が決まったという。20日現在、奄美群島で養殖のリュウキュウアユを飼育しているのは同校のみとなる。

 リュウキュウアユは、奄美大島と沖縄本島に生息し、成魚の体長は10~20㌢。本土のアユと比べ、やや小型で体がずんぐりとしており、うろこが大きく数が少ない―などの差異が見られる。現在、野生のリュウキュウアユが確認できるのは、世界でも奄美大島のみとなっている。

 同校の生活委員会など児童生徒たちは、登下校前の餌やりを担当。授業の一環として、スケッチ、メダカとの比較考察などを予定しているも、搬入された養殖のリュウキュウアユは、すでに寿命間近の生後1年が経過している。児童生徒たちは、飼育を通して最期の姿を見届けることとなり、生き物を飼う、育てる意味とともに、命の尊さを学ぶことになる。

 餌やりを担当する同委員会の副委員長の上原輝頼さん(小6)は「(ずんぐりとした)形とオレンジ色の線が入っているのが(珍しく)面白かった」と、初めて見た時の印象を話した。

 宮原怜さん(小3)は搬入された18日の日記で、その特性とともに「1年しか生きられないので大切に育てたいです」と書き綴った。