「好相場」期待に「作柄も良好」。特産の「赤土新ばれいしょ」収穫に励む生産者たち=22日、伊仙町
【徳之島】毎年「春を呼ぶ新ジャガ」として人気の徳之島地域「赤土新ばれいしょ『春一番』」(JAあまみ徳之島、天城両事業本部)の今期収穫が始まった。国内他産地の不作に加えて世界的なジャガイモ不足が続く中、作柄も「平年並みで良好」(JA)。「好相場」取引への絶大な期待感もにじませ生産地の表情は明るい。
JAあまみ徳之島、天城両事業本部の今期「赤土新ばれいしょ『春一番』」の共販計画は、▽徳之島事業本部(徳之島、伊仙両町内)約5058㌧▽天城事業本部(天城町内)は約3500㌧で計約8558㌧。全体目標としては「出荷量1万㌧、販売額20億円突破。ブランド産地の誇りを持ち、消費者に信頼されるばれいしょ産地の確立―」などを掲げてJA共販を推進する。
国内産の品薄(好相場期待)の背景には①北海道産の年明け出荷計画量の大幅減②長崎県産の減収予想③流通量が少なく昨年から堅調相場が継続。本県(鹿児島)産は、商系(JA系統外)を含め種子不足により流通量が平年比減の見通し④コロナ禍で業務筋の動きは鈍いが、流通量が少ない(品不足)うえに〝巣ごもり需要〟で本県産への引き合いは強まり、今後も安定した相場展開が予想される―など分析。
販売促進活動では今月20―21日に中京、京浜地区で計画していた徳之島3町長ら「トップセールス」はコロナ禍の情勢で中止。共販「出発式」は、町公共施設(体育館)が臨時休館中の29日午後3時から徳之島事業本部ホール(徳之島町亀津)で縮小開催する。
約1㌶を栽培する伊仙町面縄の農業伊藤正吉さん(81)の畑では22日午後、家族ぐるみで収穫作業を開始。「今年は市場価格が期待できる。(個人的には)作柄も平年並みに良好です」と満足そうに話した。