種保護へ理解深める

希少種のリュウキュウコノハズクの説明をする奄美博物館の平城達哉学芸員

奄美群島の希少な動植物オンラインで紹介 鹿大島嶼研

 鹿児島大学国際島嶼教育研究センター奄美分室は21日、「第33回あまみ分室で語りましょう」をオンラインZoomで行った。奄美博物館の平城達哉学芸員が、「奄美群島の希少な動植物」の生態や島ごとの特色を紹介した。群島独自の哺乳類や絶滅危惧種の多さにに、オンラインで視聴参加した18人は、あらためて希少種保護などに理解を深めた。

 「生物多様性」が評価されて世界自然遺産に登録された奄美大島と徳之島。平城さんによると、「日本国土面積の1%に満たない両島に、国内生息の哺乳類109種のうち約12%(奄美13種、徳之島12種)が生息している」という。奄美の13種の中には、アマミノクロウサギやケナガネズミなど固有種も多数含まれている。

 絶滅危惧種を世界自然遺産に登録された4島別にみると、①奄美大島34種(植物14種、哺乳類7種、鳥類2種、爬虫類1種、両生類5種、昆虫5種)②徳之島23種(植物8種、哺乳類7種など)③沖縄島北部35種(昆虫類10種、植物8種など)④西表島23種(昆虫類7種、両生類5種など)―となり、植物と哺乳類が半数以上を占めている。

 その中で「4島すべてに生息する絶滅危惧種は2種(リュウキュウユビナガコウモリ・コケタンポポ)のみ。奄美と沖縄島北部に共通する種は0種」とし、種の保護の必要性を示した。

 また、天然記念物で絶滅危惧種のトゲネズミは、①アマミトゲネズミ②トクノシマトゲネズミ③オキナワトゲネズミ―の三つに分類され、各島の固有種。トゲネズミがハブの攻撃をジャンプでかわす珍しい習性を、イラストなどで説明した平城さんは、「希少種の宝庫である奄美大島。奄美の子どもたちは生物好きが多い。専門用語を使わず分かりやすく楽しく教えたい」と話した。