奄美市国保運営協

22年度の国保税率などについて審議した国保運営協

5年連続据え置き
当初予算法定外繰入は5千万円

奄美市国民健康保険運営協議会(伊東隆吉会長)の2021年度第2回会合が25日、市役所であった。安田壮平市長から諮問された22年度の国民健康保険税率の税率改正等と国保事業計画について審議、国保税は現行税率を据え置くことなどを承認、答申することを決めた。18年度以降、5年連続で保険税率の据え置きとなる。

国保事業は、都道府県が財政運営の主体となり、市町村ごとに県に収める事業納付金額を決定、納付に必要な「標準保険料率」を参考に、各自治体が保険料率を定めている。

このほど、県が示した本算定を基に算出した奄美市の一人当たりの保険税必要額は8万1115円で、県内19市で最も低く、奄美群島内の12市町村では、上から5番目となっている。

税率を据え置きとした理由について、市国保年金課は「現行の税率による保険料収納見込額が県算定保険料総額をわずかに上回る見込みとなったため」などと説明。一方で「近い将来財源不足に陥る可能性がぬぐえない状況にある」などと指摘。今後の安定した財政運営や保険税算定方法の県内統一に備え、「基金の積み立てが必要」との見通しを示した。

22年度市国保事業特別会計の当初予算は歳入、歳出ともに前年度比3億2830万円増の53億9917万円を見込んでいる。

国保会計は、06年の合併当初から赤字が続いていたが、国の公費負担拡充や保険税収入の改善などもあり、19年度決算で最大8億円あった累積赤字を解消した。一方で、赤字の解消のため一般会計からの法定外の繰入は続いており、22年度は、前年度比5千万円減の5千万円を繰り入れる。

一般会計からの繰り入れについて、市国保年金課は「財源補てんのための繰り入れは赤字と認識されるため、23年度までに解消する必要があり、近い将来、財源不足に陥る可能性もある」などと指摘。国保税率を据え置く方針を決定したものの「国保財政は依然として厳しい状況にある」としている。

22年度の事業計画は▽保険税の確保と収納率の向上▽医療費の適正化▽保健事業の推進―を基本方針とし、未納者への接触強化や保険料納付の口座振替推進、レセプト点検の充実・強化、特定検診の受診率アップなどに取り組む。また、事務の効率化としてマイナンバーカードの保険証利用推進やオンライン資格確認による負担軽減などを促進する考えが示された。