大島地区1月子牛セリ

上げ相場、平均66万2千円
発育で価格差 日常の管理徹底呼びかけ

JA県経済連肉用牛課奄美市駐在は25日、1月の大島地区子牛セリ市結果をまとめ公表した。市況は「全体的に購買者の買い気は強く」上げ相場となり、総平均66万2334円(昨年11月の前回比1万6116円高)と上昇した。発育の関係で子牛の価格差がみられたことから、日常の管理徹底を呼びかけている。

今回の大島地区セリ市は、県内の子牛セリ市場で初セリとなり、瀬戸内市場と笠利市場が統合し、奄美大島家畜市場として行う最初のセリ市となった。5日の与論市場を皮切りに、11日の喜界市場まで開催。奄美大島でのセリ市では、新型コロナウイルス感染症が爆発的に感染拡大していたことから、購買者の行程を一部変更して奄美大島での滞在時間をなるべく短くし、購買者、生産者ともに接触しないなど感染対策を徹底しての開催となった。

全体の入場頭数は1725頭(雌702頭、去勢1023頭)で、全て売却。平均価格は、雌59万6264円(前回比6185円高)、去勢70万7673円(同2万4699円高)となり、いずれも上昇した。

合計平均価格にかかわる市場ごとの順位をみると、沖永良部の68万2448円を筆頭に、徳之島、与論、奄美大島、喜界の順。購買者から見た子牛評価の指標である平均単価で市場を格付けすると、沖永良部の2687円(キロ当たり)を筆頭に、徳之島2542円、与論2431円、喜界2375円、奄美大島2342円の順。セリ日齢にかかわる市場ごとの若齢順位は、沖永良部253日、喜界258日、徳之島261日、奄美大島263日、与論264日の順となっている。

今回の相場の要因について、同駐在は「懸念されていた年末の枝肉相場が上昇傾向にあり、また肥育農家は11月、12月出荷した頭数を穴埋めするために買いに動いていることが考えられる」とする一方、全国的に新型コロナ感染が拡大傾向にあり牛肉の消費が減少し、枝肉相場が下がることが懸念されるため、「今後も新型コロナの影響を注視する必要がある」と指摘している。

高値につながる子牛づくりでは、「今回のセリ市は、小さい牛(骨量のないもの、フレームのないもの)の価格が特に低く、丈夫で発育の良い子牛(フレームのしっかりした牛、前躯、腹袋の充実した牛)については体重が軽くても高く取引されていた」として、骨格、フレーム、体高のある子牛づくりを求めている。