「まん延防止」適用決定

2月20日まで県内全域対象 全飲食店に時短要請
奄美大島5市町村 緊急事態から警報移行

政府は25日、新型コロナウイルス感染症対策本部を持ち回りで開き、鹿児島県など18道府県に、緊急事態宣言に準じた措置が可能となる「まん延防止等重点措置」を適用することを正式決定した。期間は27日から2月20日までで、これを受けて県は対策本部会議を開き、塩田康一知事が決定事項を記者会見で報告。措置区域を県内全域とし、県内全市町村の飲食店への営業時間短縮要請などに取り組む。

知事は会見で、▽新規感染者数が546人(25日発表)で過去最多を更新するなど歯止めがかからず非常に厳しい▽病床使用率が23日時点で37・5%となり、あと数日で50%近くになる可能性▽現在重症はゼロだが、中等症が16人と増加傾向にあり、医療提供体制のひっ迫懸念▽入院患者のうち60代以上が101人で、レベル2引き上げ時の35人から増加し、入院者に占める高齢者の割合が高い▽感染規模が飲食店から職場や学校、家庭へと拡大している―などを挙げるとともに、九州全体で感染を防止する観点から、九州各県で足並みをそろえて「まん延防止等重点措置」を適用する意義を説明した。

重点措置の適用により措置区域は県内全域。「爆発的感染拡大警報」を県内独自に発令しているが、これを継続。奄美大島の感染者数は減少傾向にあることから、知事は「奄美大島5市町村を対象にした県独自の緊急事態宣言は本日付(25日付)から、爆発的感染拡大警報に移行する」と述べた。

県内すべての飲食店に措置が適用され、期間中は午後8時までの営業時間短縮・酒類の提供を控えるよう要請。応じる飲食店にはこれまで通り協力金が支払われる。飲食店のうち感染防止策を徹底しているとして認証を受けている「第三者認証店」は、午後9時までの営業時間短縮と酒類提供可を確認できるようにする。午後8時までの営業時間短縮、酒類の提供不可を選択し協力すれば協力金が上乗せして支給される。第三者認証取得には、申請から概ね3週間かかりこれからの申請は今回の期間に間に合わないが、すでに申請している店舗が期間の途中に認証を受けた場合は、認証店として扱われる。

移動に関し知事は離島への往来は、自粛呼びかけに応じるとともに不要不急の往来を控えるよう要請。やむを得ず移動が必要な場合は空港などでのPCR検査を行うよう求めた。無症状の県民を対象に県が奄美にも開設している無料のPCR検査の期間については2月20日まで延長するとした。旅行需要の喚起策として行ってきた「今こそ鹿児島の旅」は、措置期間中は停止される。

また、県有施設については感染防止策を徹底した上で利用可能とする。