和泊町、アリーナ建設事業で説明会

アリーナ建設事業について意見を交わした町民説明会=和泊町、大城小学校=

 

財政状況に「いまは難しい」の声

 

 【沖永良部】和泊町総合交流アリーナ建設事業町民説明会が26日から始まった。初日は同町の大城小学校体育館であり、住民23人が参加。質疑では、町の財政状況を示す将来負担比率などの指標が県内ワーストの結果に、参加者から「いまの状況では難しい」「ほかにやるべきことがある」などの意見が出た。

 アリーナ建設事業は、老朽化のために2016年に解体された町民体育館に替わる施設として、町の第6次総合振興計画の中で重点プロジェクトに位置づけられている。

 町では、20年8月にスポーツ団体等の代表者らで構成する町長の諮問機関「総合交流アリーナ建設事業推進協議会」を立ち上げ、建設場所や施設規模について話し合ってきた。昨年12月、基本構想・基本計画案を前登志朗町長に答申した。

 会には、前町長や竹下安秀教育長らも出席。事業の概要について町教育委員会から説明があり、建設候補地は同町内城の町民運動広場周辺で想定延べ床面積は6400平方㍍、施設整備費は概算で約31億円、事業スケジュールは基本設計から建設工事完了まで約45カ月とした。

 町の財政状況について役場総務課は、20年度の実質公債費比率が16・3%、将来負担比率は85・2%で、それぞれ県内ワースト1位だったと報告した。

 参加者からは「この財政状況では難しい。建設した場合、いまの町民サービスを維持できるのか」「人口を増やすためには、アリーナをつくる前にやるべきことがある。必要かどうか町民に、もう一度聞いた方がいい」などの意見が出たほか、「アリーナ建設で子育ての環境は良くなるのでは」との声もあった。

 説明会は、今月31日に内城小学校体育館、2月1日は和泊中学校体育館、同4日は国頭研修会館でいずれも午後7時30分から開催される。