「徳之島地域 赤土新ばれいしょ『春一番』」出発式

好相場に期待し「1万トン、20億円突破達成」を誓い合った徳之島地域赤土新ばれいしょ「春一番」出発式=29日、徳之島町

「自然遺産の島」付加価値にも期待
JA共販目標1万トン・20億円突破誓う

【徳之島】2022年産「徳之島地域赤土新ばれいしょ『春一番』」出発式(同「春一番」連絡協議会およびJAあまみ徳之島・天城両事業本部主催)が29日、同JA徳之島事業本部ホールであった。県外他産地情勢(品不足)で有利販売が期待される中、「世界自然遺産の島の『春一番』」の付加価値もアピール。安心安全と「定時・定量・定質」出荷による共販目標「1万トン、20億円突破」を誓い合った。

温暖な気候と土壌特性を生かして生産される「赤土新ばれいしょ『春一番』」は同島の基幹的園芸品目。JA共販の同出発式は、例年だと3町会場持ち回りで生産者ら約400人が参加して合同開催しているが、新型コロナウイルス感染症警戒のため昨年に続き各生産者部会長や関係機関・団体の代表など約60人での縮小開催に。

開会あいさつで同JA徳之島事業本部の平山正也統括理事は「ヒカンザクラ満開を前に日本で一番早い『赤土新ばれいしょ・春一番』の出荷の季節。世界自然遺産の島の『春一番』を日本全国や世界中の人々に食して欲しい。3町合同選果場建設にも取り組もう」。同島地域赤土新ばれいしょ「春一番」連絡協の重原成一朗会長も「今年は単価(青果市場)が期待できる。1万トン達成をめざそう」と呼び掛けた。

来賓祝辞(代表・大久保明伊仙町長)に続き、今年で14年目の「かごしまの農林水産物認証制度(K‐GAP)」認証書を赤崎久一・県徳之島事務所長が各ばれいしょ部会長に伝達。JA県経済連の産地情報提供に続き、関東・中京両地区の青果市場代表が決意表明(オンライン)した。

経済連側は高単価の中にも「需給バランスが大事。生産資材も高騰しており1円でも高く販売して『春一番』ブランドを全国に」。市場側は品質保持による安定出荷や世界自然遺産登録によるブランド力アップにも期待を寄せた。

同JA事業本部別の生産・販売計画は、▽徳之島事業本部(徳之島・伊仙両町内)281ヘクタール、5058トン▽天城同172ヘクタール、3330トン―計453ヘクタール(前期比3ヘクタール減)、8388トン(4131トン増)。前期は単収とJA共販率が大幅に低迷した。

適期収穫や病害虫防除による良質出荷、生産履歴(安心安全)、定時・定量・定質出荷による銘柄確立。「出荷量1万トン、20億円突破達成」などを確認。テープカットとガンバロウ三唱で決意し合った。出荷は2~3月中旬をピークに4月中旬ごろまで続く。