「昇り龍ヒカンザクラ」くっきり

西康範さんが撮影した「昇り龍」に見える龍郷町大勝のヒカンザクラ並木

龍郷町大勝集落の山腹 満開に咲き誇り見頃

龍郷町大勝集落の山腹には、麓から頂上に至るヒカンザクラの並木がある。蛇行の様子から天に昇る龍のように見え、晴天に恵まれた31日は「昇り龍ヒカンザクラ」がくっきりと浮かび上がった。

天を向く「昇り龍ヒカンザクラ」を撮影したのは西康範さん。西さんは「日中も最高15度と冷え込む中、龍郷町大勝で昇り龍のようにも見えるヒカンザクラが満開に咲き誇っています」と伝えた。31日の奄美地方は、奄美大島を中心に最低気温が低下。奄美市笠利町で11・4度、瀬戸内町古仁屋で11・0度と「最も寒い時期を下回る」気温となったものの、ヒカンザクラの鮮やかな緋色が春を告げるよう。

並木があるのは、集落民から「寺山」と呼ばれる山。登り口から約470メートルにかけて植樹されており、山道は舗装されているが、最大傾斜は45度もある。急峻な上り坂の山道を頂上まで行くと、ヒカンザクラの樹木が折り重なった「サクラのトンネル」を通ることもできる。

現在が満開で、1週間~10日程度が見頃。集落の青壮年団関係者によると、花見を前に毎年1月下旬、清掃作業を行っているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で作業を見合わせた状態という。2月の第1日曜に開催してきた集落の「さくらまつり」も2年連続中止が決まった。「山を登ってサクラ並木を眺望することはできる。山の麓一帯にもたくさんのヒカンザクラが植樹されており、ぜひ訪れて楽しんでほしい。蜜を求めてメジロが飛び交う様子も観察できる」。集落の人々は呼びかけている。