「たんかん」出荷スタート 徳之島町柑橘生産組合

大幅減産だが「品質は良好」。収穫が本格化した「たんかん」=1日、徳之島町亀津


個人選果場で出荷作業に追われる生産者

減産も「品質良好」

 【徳之島】徳之島町柑橘生産組合(是枝純一組合長・組合員農家91戸)は1日、2022年産「たんかん」の収穫を本格化させた。未熟果の混入防止、品質保持のための同〝出荷解禁日〟恒例の「出発式」はコロナ禍で中止。作柄は隔年結果の「裏年」や気象の影響もあって前期実績比「約4割」の大幅減産見込みだが、品質は「良好」だ。出荷のピークは今月末ごろまでに縮まりそうだ。

 同生産組合や町農林水産課担当によると、同町内のたんかん栽培面積は約70㌶(うち成木面積約8割、21年産実績約482㌧)。9割以上を同生産組合員で占め、顧客開発による個人直販を中心に、『徳之島たんかん玉黄金(たまこがね)』統一ブランドでの共販出荷(委託)にも取り組んでいる。

 是枝組合長(73)によると、全般的な作柄は前期の「表年」(豊作傾向)の反動の「裏年」であることに加えて、昨年1月の降霰(こうさん=あられ)など気象的要因による樹勢の衰えも影響、前期実績の約6割(約290㌧)程度への落ち込みを予想。しかし果実そのものの品質面は、「台風被害もなく糖度や玉伸び、果皮の着色ともに例年並みに良好な出足」と太鼓判を押している。

 同町柑橘生産組合は、県が定めた安心・安全基準に沿って生産者自らが記録・点検・評価して改善を図っていく「かごしまの農林水産物認証制度(K-GAP)」の認証も取得(15人)している。

 是枝組合長は町役場を定年退職と同時たんかん栽培を始めて13年(現在約50㌃・約350本)。「世界自然遺産の島・徳之島で太陽をさんさんと浴びて黄金色に輝く玉黄金。コロナ禍のこういう時世だからこそ、全国のお客さまに安心・安全でおいしいものを組合員でお届けしたい」

 徳之島町柑橘生産組合事務局(徳之島町亀津、電話0997-82-0645)