ガソリン価格

来店した車に給油するガソリンスタンドのスタッフ(3日、奄美市名瀬) 

先行き見えず、原油高騰懸念 
前週比0・6円高 県小売価格は177・6円 抑制策発動から1週間

 原油価格の高騰を受けた政府によるガソリン価格抑制策が始まって以降初めて、石油情報センターが発表した鹿児島県内のガソリンスタンドのレギュラーガソリン平均小売価格(1月31日時点)は177・6円で、前週比(1月24日時点)より0・6円高くなった。奄美大島の店頭小売価格は180円ほどで推移しており、島内の小売業者関係者からは「補助分を上回る勢いで原油価格の高騰が続いており、据え置きするのがやっと」「先行きが見えず、値下げできる状況にない」など、苦しい胸の内が聞かれた。

 国が激変緩和措置として行う価格抑制策は、毎週発表される小売価格の全国平均が170円を超えると発動する。経産省は1月24日時点の全国平均のガソリン価格が170円に達したことから同月27日から原油上昇分などとして1リットル当たり3・4円の補助金を元売り業者に支給した。

 ただ、原油価格は高止まりしたままとなっており、鹿児島県石油商業組合は「価格抑制のための補助金は、原油価格の高騰による小売価格の値上げを防ぐことが目的のため、小売価格の引き下げにはつながらない」としたうえで、「抑制策がなければ、多くの小売店で値上げされることになったはず」としている。

 今月2日発表のガソリン価格の全国平均は170・9円で、前週比0・7円の値上がりとなった。4週連続の値上がりで、高値水準が続いている。補助金は3日から前週比0・3円引き上げ、1リットル当たり3・7円となる。

 同島のガソリンスタンドの店頭価格は180円程度と、全国平均より10円程度高い。奄美市内のガソリンスタンドの従業員によると、価格高騰が続いたことで、「満タン給油する客が減り、定額、定量給油の客が増えた。売り上げも減っている」と厳しい経営状況を話した。

 同組合大島支部の豊隆文支部長は「価格抑制の補助金額以上に原油価格の値上がりが大きいため、ガソリンの卸値は値上がりしているのが実情。店頭価格の値上げに踏み切らざるを得ない小売店もあり、政府にはさらに踏み込んだ支援をしてもらいたい」とし、揮発油税などの税率を時限的に引き下げる「トリガー条項」発動の検討も求めた。