玉里地区護岸工事に着手へ

「21年度海岸堤防等老朽化対策工事」(玉里地区海岸)現場=右側=。今年度内の着工を見込んでいる。全体の計画工事区間延長は690㍍

鋼矢板を新設、根固石整備 龍郷町

 龍郷町は、2021年度に玉里地区海岸の護岸工事着手を計画している。昨年12月の臨時議会で「21年度海岸堤防等老朽化対策工事(玉里地区海岸)請負契約の締結」議案が可決された。契約金額は約8千万円。町当局は提案理由の説明の中で「1975年代(昭和50年代)に玉里地区埋め立て事業で建設された海岸護岸について、老朽化により各部材の劣化が確認されたことから、施設の延命化対策として、既設前面に新規矢板(鋼矢板)を新設し、護岸本来の防護機能を維持するとともに同地区の保全を図るため今年度から工事に着手する」などと説明した。町建設課によると、「今年度内には着工する見込み」としている。

 玉里地区は、1979(昭和54)年に埋め立て造成された。海岸堤防は造成から42年が経過し、老朽化していることから、「海岸堤防等老朽化対策工事」を計画。

 20年度に地質調査、測量・設計を行った。

 21年度工事計画では、奄美信用組合竜郷支店前の施工延長は84・6㍍。現在の海岸護岸の前面に新規の鋼矢板94枚、根固石890立方㍍(延長54・7㍍)などを整備する。21年度予算は9千万円。

 鋼矢板を海中・海底に打ち込んだ後、沖側へ10㍍以上にわたって根固石を整備していく計画。

 工期は3月まで。「繰り越し予算の承認を経て、7月までには工事を終了する見込み」としている。

    ◇

 全体の計画工事区間は、町役場裏門近くの県道と奄美信用組合竜郷支店前の町道が交差する地点~九州電力㈱竜郷発電所前の海岸護岸に至る町道までの延長690㍍。

 「国の予算との関係があり、完工まであと何年かかるは分からないが、22年度以降5~7年ぐらいはかかるかもしれない」(町建設課)。

 全体の計画工事区間内には、漁港施設(物揚げ場、野積み場、護岸、トイレ)がある。